平成28年度 病院指標




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● 年齢階級別退院患者数


当院の入院患者さんは昨年度より1,000人増加しており、60代以上の患者さんが65%を占めています。また、当院は山梨県内で唯一厚生労働省の定める総合周産期母子医療センターがあり、乳児の患者さんの割合が高くなっているのが特徴です。



● 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

肺がん・呼吸器病センターでは、呼吸器外科と協力し、患者さんが安心して治療を受けられるように努めています。肺の悪性腫瘍に対する検査入院として主に気管支鏡検査件数は増加しています。苦痛や不安を軽減するために適切な鎮静を行い、安全に検査を行い、早期の治療導入に努めています。また、手術不能肺がんの化学療法導入や術後補助化学療法導入に伴う入院件数も年々増加しています。肺炎、間質性肺炎に対する急性期の治療や、特発性肺線維症に対する抗線維化薬の導入治療も積極的に行っているほか、呼吸不全診療の充実や抗酸菌感染症診療にも取り組んでいます。

消化器内科で最も多いのは内視鏡的治療目的の早期胃癌患者さんです。次に多いのは肝臓癌の患者さんです。カテーテルを用いた塞栓術やエコーガイド下でのラジオ波焼灼術などで治療しています。癌や胆石による閉塞性黄疸の患者さんも多く、内視鏡を用いて治療しています。癌の場合はステントという形状記憶合金性のメッシュや樹脂性の筒を挿入し黄疸の軽減を図ります。胆石の場合は鉗子で把持して直接除去しています。早期大腸癌に対しても胃癌と同様内視鏡的切除を行っています。出血を伴う胃十二指腸潰瘍患者さんも積極的に受け入れ内視鏡的に止血しています。

循環器内科では冠動脈疾患、不整脈、心不全など循環器疾患のすべてに対応しております。冠動脈インターベンション手術は年に約200例施行し、不整脈に対するアブレーション治療も年に約150例施行し、本年度は200例に迫る勢いです。ペースメーカ挿入はもちろんのこと、治療施設に限りのある植込み型除細動器や両心室ペーシング植込みも施行しています。

糖尿病(1型糖尿病・2型糖尿病)、内分泌疾患(甲状腺疾患、副甲状腺疾患、視床下部・下垂体疾患、副腎疾患)、二次性高血圧を中心に診療を行っています。症例数の最も多い2型糖尿病では、教育入院に力を入れ、糖尿病専門医だけではなく、保健指導科の保健師・病棟看護師をはじめ栄養相談科の管理栄養士・検査部の検査技師・薬剤部の薬剤師・リハビリテーション科の理学療法士で構成されたチーム医療で生活習慣の改善指導を積極的に行っています。また糖尿病の合併症の診断と治療は、眼科、腎臓内科、循環器内科、泌尿器科、産科などとの緊密な連携のもと行っています。

腎臓病の原因は多岐にわたり、治療法も異なる為、血液検査、尿検査、超音波検査、腎生検などにより、原因を診断したのちに適切な治療を計画しています。 発症初期から透析期まで、腎臓病の全病期を一貫して担当している当科の特徴を活かし、長期的な展望に立った診療を行っています。

当院の血液内科では、急性白血病は入院で、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫は外来治療を中心に行い、入院はできるだけ短期間とし、患者さんが日常生活に早く復帰できるよう努めています。血液疾患の治療は薬物療法が中心となりますが、薬物療法で治癒が困難な場合は、造血幹細胞移植に切り替え治癒を目指します。造血幹細胞移植については、血縁、非血縁、臍帯血、自家移植等から最適な移植法を選択し、最適なタイミングでの移植を行います。当院で診断から移植、退院後の体調管理まで一貫して行うことで、患者さんの健康を責任持って管理いたします。

膠原病とは自らの身を守る免疫機能が誤って自己を攻撃してしまう病気であり、長期にわたって免疫を抑える治療が必要になります。発症時、治療経過中の病状悪化時、感染症などの合併症が出現したときなどに入院の必要性が生じます。特に発症時には、身体症状に加えて血液、画像、病理学的検査などを組み合わせて病気を診断確定し、その病状に合わせてステロイドや免疫抑制剤を組み合わせた治療を行いますので入院期間が長くなります。平均在院期間がやや長くなっていますが、今後とも患者さんの治療に必要な在院期間を保ちつつ、早期に退院できるように一層努めていきます。なお、関節リウマチ患者さんは外来で加療することが多く、内科的に入院の必要がある例はとても少ないです。

当科は山梨県内唯一の感染症診療のスペシャリストです。総合診療科・感染症科の得意とするところは、感染症診療とその患者さんの退院後の生活を考えることです。当科で診療する疾患の多くは肺炎や急性腎盂腎炎、髄膜炎などの感染症ですが、感染症と紛らわしい膠原病、例えばリウマチ性多発筋痛症や血管炎といった疾病も多く見られます。病気の治療は十分に、しかし病院での入院期間は最小限にとどめ、患者さんが自宅生活にできるだけ早く帰ることができるように努めています。


小児科では、地域の小児科開業医や県内全域の関連病院と連携して二次および三次小児医療を展開しており、総合周産期母子医療センターと連携する中で脳性麻痺や先天奇形などのさまざまな基礎疾患を有するお子さんたちも支援しています。インフルエンザやRSウイルスなどのウイルス感染に起因する呼吸器系疾患や緊急搬送を要する熱性けいれん、てんかんなどの脳・神経系疾患の病児が多くなっています。


地域医療の観点から患者さんに安心していただける緊急手術にも対応していますが、多くの治療対象となる疾患は、消化器や乳腺の悪性腫瘍です。全国平均と比して当院の平均在院日数は短縮されています。今後とも治療が滞りなく行えるように努めてまいります。


呼吸器外科では、肺がんや気胸などの疾患に対して、外科的治療(主に手術)を施行しています。「肺の悪性腫瘍 手術あり」とは肺がんに対して手術を行った患者さんであり、県内最多の症例数です。平均在院日数も全国平均より大幅に短縮しています。気胸に対しては、「気胸ホットライン(24時間)」を導入し、県内の患者さんを幅広く診療しており、県内最多症例数です。


心臓血管外科では弁膜症、大動脈瘤手術、虚血性心疾患(狭心症など)の手術をほぼ均等に幅広く行っています。大血管疾患では大動脈瘤手術をはじめ、解離性大動脈の緊急手術もほぼ同数行っており、常時緊急手術を施行可能な体制を整えています。いずれも在院日数は全国平均と同程度かやや短くなっています。


整形外科は四肢の骨折や変形性関節症、変形性脊椎症の手術を主に行っています。高齢者の大腿骨近位部骨折は寝たきりの原因となるため、準緊急手術として対応し速やかにリハビリが行えるようにしています。救命救急センターへ搬送される多発外傷患者・重度四肢外傷患者に対応するため、初療の段階から整形外科医がかかわり、適切なタイミングで治療を行っています。変形性関節症や変形性脊椎症に関しても合併症を伴った症例が多く、他科と連携を密にとりながら安全な手術を心がけています。


脳神経外科では脳卒中、頭蓋内腫瘍、頭部外傷、小児脳神経外科疾患を幅広く診療しています。脳卒中急性期症例が最も多く、手術の有無にかかわらずすべて脳神経外科で対応しています。脳梗塞、約100例、非外傷性頭蓋内血腫、約100例、その他含め約230例の脳卒中入院治療を行っています。先進的な脳梗塞に対する急性期血栓回収術も積極的に行っています。また、脳神経外科診療では一般的な慢性硬膜下血腫の手術治療を行っています。


小児外科は生まれたばかりの赤ちゃんから中学生までのこどもを対象とし、扱う臓器も肝臓・腎臓・腸などのお腹の臓器、肺・食道などの胸の臓器、首や皮膚の下の腫瘤(しこりやできもの)など多岐にわたり、とても守備範囲の広い診療科です。臓器ごとの専門的な知識や技術が必要な疾患の場合は、成人の外科や耳鼻科、皮膚科など他の診療科の医師と連携をとりながら診療に当たります。 入院患者数は鼠径ヘルニアが最も多いのですが、それ以外の疾患では停留精巣が多く、虫垂炎や腸炎などのおなかの疾患がそれに続きます。急性虫垂炎の治療には大きく分けて2つの方針があり、1つは手術治療で、最も確実であり早期の回復が見込めます。もう1つが絶食や抗生物質投与による治療で、保存的治療と呼ばれています。当科では軽症の虫垂炎や逆に進行して重症化した場合には保存的治療を行っています。重症の虫垂炎では炎症が強く手術が難航し、術後の合併症も多くなります。そこで保存的治療で一旦軽快させておき、おなかの中の炎症が消える約3ヶ月後の自覚症状がないときに待機的に虫垂切除を行うことを勧めています。


皮膚科では蜂窩織炎、丹毒、帯状疱疹などの感染症や皮膚悪性・良性腫瘍、難治性皮膚潰瘍、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬など皮膚疾患全般につき積極的に治療しています。皮膚科で最も多い入院症例は蜂窩織炎、丹毒などの細菌感染による皮膚の炎症性疾患です。抗菌薬の点滴注射による治療を行っています。次いで多い入院症例は帯状疱疹でウイルス感染による皮膚の炎症性疾患です。強い痛みを伴うことが多く、顔面に発症した症例では顔面神経麻痺や難聴、視力障害など合併することがあります。抗ウイルス薬の点滴注射や消炎鎮痛剤の内服で治療を行っています。また合併症が疑われる症例については耳鼻科、眼科と連携し治療を行っています。無汗症の患者さんにはステロイドの点滴治療を行っています。また熱傷については外用薬を用いて保存的に治療し、植皮術が必要な場合は形成外科と連携し治療を行っています。


膀胱がんを尿道から内視鏡を入れて削る手術は、どの病院でも多く行われています。当院では手術前日入院、手術翌日退院ですので、在院日数は短くなっています。結石を体外から砕く手術(ESWL)は1泊2日で行っています。腎盂・尿管がん(尿路上皮癌)の抗がん剤治療は、点滴が長時間かかる部分のみ入院(3泊4日)で行い、それ以外は通院加療がんセンターで行っています。前立腺肥大症の手術は入院期間約7日ですが、近年、薬剤治療の進歩により、減少傾向です。その他、がん以外の尿路性器疾患も泌尿器科で担当しています。


H28年の形成外科の手術件数(レーザー照射も含め)は総数670例、最多は皮膚皮下良性腫瘍(母斑・粉瘤・血管腫など)220例、ほかに眼瞼下垂 86例、皮膚悪性腫瘍 79例、乳房再建 52例が多いものとして続きます。そのほかにも顔面骨骨折 34例(鼻骨 17例・ 頬骨9例・ 眼窩底 6例)、熱傷(植皮術)が 27例、口唇口蓋裂 9例、四肢外傷 27例、瘢痕拘縮・ケロイド 21例、耳・瞼その他の先天異常 17例、難治性潰瘍 15例(このうち褥瘡5例)、睫毛内反『さかさまつげ』 12例、レーザー照射10例、四肢先天異常(多指・合指) 8例、顔面軟部組織損傷 2例、と手術は形成外科の疾患をほぼ全般にわたり行っています。


婦人科は子宮、卵巣の良性腫瘍、悪性腫瘍などを対象に傷が小さく、入院期間も短い腹腔鏡を用いた手術に力を入れており、症例数は昨年度より増加してきており、県内最多となっています。悪性腫瘍に対しては遺伝子解析センターと共同で癌の早期発見、予防、治療へつながる研究を行っています。平均在院日数はいずれも全国平均に引けを取らず、今後も短縮する見込みです。


地域医療の基幹病院としてあらゆる眼疾患の診断・治療に対応しています。対象疾患は白内障、緑内障、網膜硝子体疾患(網膜剥離、糖尿病網膜症、網膜色素変性、加齢黄斑変性、網膜前膜、黄斑円孔など)、角膜疾患、ぶどう膜炎、視神経炎、斜視、弱視などです。眼科の入院のほとんどが手術目的となり、H28年の手術件数は約860件でした。その中でもっとも多い症例は白内障で眼科手術の約85%を占めていますが、白内障手術の入院は包括対象外のデータであるため、上記の表には挙げられていません。白内障以外で多いのが上記疾患であり、緑内障や網膜剥離は失明の危険性がある重篤な疾患であることから、特に治療に力を入れています。


耳鼻咽喉科では耳、鼻、咽頭、喉頭、頸部など耳鼻咽喉科領域すべての疾患に対応し診療しています。頭頸部外科として、炎症性疾患は元より良性腫瘍、悪性腫瘍の系統的治療(化学療法、放射線治療、手術の三者の併用)や副鼻腔炎の鼻内手術を積極的に行っています。また突発性難聴、末梢性顔面神経麻痺などに対する薬物療法の治療実績も豊富です。


救急科は、山梨県唯一である救命救急センターを中心に診療を行っています。当科が担当しているのは、重症外傷や熱傷、急性心筋梗塞、脳卒中、心肺停止、薬物中毒などの重篤な方または緊急性の高い方、複数の診療科にわたる重症な方などです。また、当科はドクターカーやドクターヘリの運用を担っており、病院外へ医師が出向くことによって救命率の向上を目指しています。当科には年間約2,000人前後の方が救急搬送され、その内約1,400人前後の方が入院します。疾患別で搬送が多いのは重症外傷や心肺停止、薬物中毒などです。

● 初発の5大癌のUICC病期別分類並びに再発患者数

当院は都道府県のがん診療連携拠点病院に指定されています。H24年の山梨県がん登録で5大癌の治療数をみても当院は多くの患者さんの治療を行っています(25〜50%)。治療では、それぞれの癌の専門的な治療を提供しています。昨年度は、外科手術数が増加しましたが、内視鏡的治療や低侵襲な鏡視下手術も増えてきており、さらに今後はロボット手術の導入を積極的に進めています。また、癌の進行度により、化学療法やホルモン療法、放射線治療等も行っており、治療が困難とされた患者さんの苦痛を和らげる緩和ケア体制も整えています。

● 成人市中肺炎の重症度別患者数等

重症度は軽症〜超重症に分けられており、当院で治療を行う患者さんは中等症の割合が高くなっています。肺炎の患者さんは高齢者が多く、年齢が高くなるほど重症度も高くなる傾向にあり、超重症・重症患者さんの平均年齢は80歳以上となっています(高齢者は重症化予防のために肺炎球菌ワクチンの予防接種が推奨されています)。

● 脳梗塞のICD10別患者数

脳梗塞の患者さんは高齢者が多く、当院での入院期間は約16日間です。急性期病院である当院では、発症から3日以内に入院となる症例がほとんどです。発症から早期に当院での急性期治療を行い、その後はリハビリ病院等へ転院となる患者さんが約半数を占めています。

● 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)


1番目に多い手術は内視鏡による大腸ポリープ切除術であり大部分は日帰り手術です。2番目は胃十二指腸潰瘍からの出血に対するクリップや高周波電流を使用して行う内視鏡的止血術です。24時間体制で対応しています。3番目は胆石や癌による胆管閉塞に対して内視鏡を用いたステントと呼ばれる形状記憶合金性のメッシュや樹脂性の筒を挿入し胆汁の流れを改善する手術です。4番目は早期胃癌に対する内視鏡的切除です。全国で最も短い4日間の入院で行っています。5番目は肝臓癌に対する塞栓術です。大腿の血管から癌の近くまでカテーテルを挿入し抗癌剤や塞栓物質を注入し壊死させます。

冠動脈疾患、不整脈、心不全など循環器全般を高度に、万遍なく網羅しているのが当科の特徴です。緊急/待機的な冠動脈治療はもちろんのことペースメーカ治療も多くおこなっています。心房中隔穿刺を伴ったカテーテル心筋焼灼は主に心房細動の予防・治療に施行するもので、年々増加傾向にあります。

内シャント設置術は、当科及び心臓血管外科の支援を得て実施しています。新規透析導入例のみでなく、血管閉塞例、他院で作成困難例や人工血管移植術についても積極的に行っています。経皮的シャント拡張術・血栓除去術の大多数は、通院で治療を行っています。

造血幹細胞採取については、患者さんの状態やご希望に合わせ末梢血、骨髄両方からの採取を行っています。自家造血幹細胞移植においては、末梢血からの幹細胞採取、移植を行っています。骨髄バンクを介した非血縁ドナーからの骨髄採取も行っています。

当院外科での治療は、さまざまな対象臓器に対する手術や多様な治療を実施しています。特に乳腺疾患においては乳房形成術や再建術を取り入れ整容性に優れた手術を心がけています。一般外科、消化器疾患においてはさらに低侵襲な鏡視下手術の導入を積極的に進めています。また入院後すぐに治療に移れるように術前日数の短縮をめざして外科外来、病棟、患者支援センターと共に努めてまいります。

呼吸器外科では、主に肺がんや気胸の手術を行っています。肺がん症例では、標準手術とされる肺葉切除術を中心に、早期がんに対する縮小手術、進行がんに対する拡大手術、などあらゆる手術を施行しています。気胸の手術においても当科独自の改良を加え、再発率は1%以下です(全国平均5〜10%)。手術は胸腔鏡下手術が中心であり、独自の麻酔法の導入により術後疼痛は劇的に改善しました。平均術後日数は肺がん、気胸とも国内平均より大幅に短縮しています。

当院は山梨県唯一の総合周産期母子医療センターを併設しています。院内で出生した新生児はもちろん、他院・他施設で出生した新生児の救命のために往診搬送も行っており、24時間体制で重症新生児に対して必要な診療が行える体制を敷いています。

心臓血管外科では弁膜症、冠動脈バイパス手術、大動脈瘤手術をほぼ均等に幅広く行っています。腹部大動脈瘤手術は開腹法とステントグラフト法を症例によって選択して行っています。冠動脈バイパス手術は人工心肺を用いた心拍動下手術を基本術式にしています。緊急手術は常時受け入れ可能な体制を整えています。

救命救急センターへ搬送される多発外傷患者、高齢者の大腿骨近位部骨折・手関節骨折に対する手術が最も多くなっています。麻酔科および手術スタッフの協力により、適切な時期に手術を行うことができています。それにより、スムーズなリハビリ病院への転院が可能となっています。

脳神経外科では慢性硬膜下血腫穿頭術が最も多い手術になります。次いで脳動脈瘤手術で開頭術を中心に行っています。脳動脈瘤手術総数は約40例です。脳腫瘍手術も積極的に行っており、ここ数年は年間10〜20例の手術を行っています。

小児外科の手術で全国的に最も多いのが鼠径ヘルニアが最も多いです。鼠径ヘルニア手術は腹腔鏡での手術と、昔ながらの鼠径部(足のつけね)を切開して行う手術があり、当院ではどちらも行っています。ほかには停留精巣の手術、虫垂炎の手術、臍ヘルニア(でべそ)の手術が多くなっています。いずれの手術でも、お子さんの長い将来のことを考えて傷は小さく目立たないよう心掛けて手術を行っています。

膀胱がんの経尿道的手術のあとは、近くの泌尿器科で経過観察をしてもらうため、転医されることもあります。最近の経尿道的手術は、膀胱も前立腺も電解質溶液(生理食塩水)を用いるため、以前より安全に行えるようになっています。最近の腎癌、腎盂癌、尿管癌の手術は、ほとんどが腹腔鏡下に行われるようになりました。入院期間も以前の10日より短縮され、6〜7日になっています。

H28年に入院して手術を行ったものとしては1番目が眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)、2番目がゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術が多く、ほかに動脈(皮)弁術、筋(皮)弁術や、皮膚皮下腫瘍切除術や、腋臭症手術(皮弁法)なども行っています。

若い女性が多く受ける子宮頸部円錐切除術は毎年100例を超える症例を行っています。良性の腹腔鏡下手術はもちろん、当院では先進医療である腹腔鏡を用いた子宮頸癌手術(広汎子宮全摘術)の実施施設として厚生労働省から認可を受けています。また、da Vinci Xiを用いたロボット手術を導入しており、手術をうける女性の選択肢をふやせるよう努力しています。

H28年の手術件数は約860件でした。その中でもっとも多い症例は白内障で眼科手術の約85%を占めます。上記の表は患者数であり、一度の入院で両眼手術の方もいるため、患者数と手術件数は異なる数字になります。次いで多いのが、糖尿病網膜症、網膜剥離、黄斑円孔、黄斑上膜などの網膜硝子体疾患対して行う硝子体茎顕微鏡下離断術です。次いで緑内障手術が多く行われています。

炎症を繰りかえす習慣性扁桃炎、IgA腎症などの病巣扁桃、睡眠時無呼吸症候群の原因となっている扁桃肥大に対しての口蓋扁桃摘出術を多く施行しています。また耳下腺や顎下腺などの大唾液腺にできる良性および悪性腫瘍の手術、甲状腺癌の手術を多く行っています。

救急科は、重症外傷に対する開胸、開腹手術やカテーテルを用いた血管塞栓術を行っています。重症外傷に対する救命のための手術を行えるのは当科の最大の特色と言えます。また、重篤な呼吸・循環不全の方には経皮的心肺補助法を積極的に導入しており、救命率の向上につなげています。救命された後の呼吸補助のために気管切開術を施行して、長期生存およびADL(日常生活動作)の向上を目指しています。

● その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)


“敗血症”
   当院は敗血症の重症症例が多く、敗血症を発症する症例もあり、治療薬の投与や血液浄化療法等の治療が必要となることがあります。

“手術・処置等の合併症”
   入院契機病名(入院のきっかけとなった病名)と「同一」の発生率が高く見えますが、入院中に手術・処置の合併症が発生することは少数です。術後の創部感染等の他に、透析患者さんのシャントトラブル(透析を行うために必要なシャントが血栓などで閉塞し使用できなる)治療(経皮的シャント拡張術・血栓除去術等)を目的とした再入院等も、この指標に含まれています。