児童・思春期精神科医療

 児童・思春期の治療は外来治療が中心ですが、ひきこもりから不登校が長期に及んでいる小中学生や、症状のために家庭生活が一時的に難しくなった児童期(小学生以上)から20歳未満の方を対象に入院治療も行っています。児童・思春期病棟(20床)があるのは、山梨県では県立北病院のみ。入院件数は増加傾向にあり、質の高い医療が提供できるように医師・看護師・精神保健福祉士・心理士・作業療法士などからなる多職種チームが入院中は関わります。

 精神医学的専門治療に加え、小中学生には当院に併設されている特別支援学校(富士見支援学校旭分校)と連携し、学習支援や登校再開の援助も行っております。児童・思春期外来スタッフとも連携しながら、充実したサポートをさせていただきます。

入院の適応となる症状の例

  • 夜眠れない、朝起きられない日が続いている
  • ひきこもりによる不登校が長期に及んでいる
  • 対人恐怖などが強く友達とうまく付き合えない
  • 落ち込みや不安が強く、悲しくなったり泣いたりしてしまうことが長引いている
  • 「死にたい」と繰り返し言ったり、自分を傷つけてしまう(リストカットを繰り返す)
  • 落ち着いていられなかったり、強いこだわりにより生活への支障がある
  • 興奮や衝動性が強く、暴力などのトラブルへと発展してしまう
  • 食事が食べられない、または食べ続けてしまう
  • 汚れが気になって何度も手を洗ってしまう
  • 頭の中で声が聴こえたりして著しく落ち着きがない
  • 記憶があいまいで生活に支障を来している

できるだけ早く医療機関とつながることが重要と言われています。

当院の受診を考えられているご家族の皆様へ

 心配されている症状や行動が、どのようなものか専門的立場から判断いたします。治療の必要性がある場合には、ご本人とご家族の方と相談させていただきながら治療方針を決めています。また、教育機関との連携や情報交換を行う必要がある場合も相談させていただきます。また、ご家族には「思春期家族のつどい」を毎月(4月を除く)第2木曜日に開催し、ご家族の抱える問題や悩み等を一緒に考え話し合える場を提供しています。

 入院されたお子さんのご家族を対象に家族支援プログラムも行っています。週1回の計4回で、お子さんへの適切な接し方について医師から学ぶことができます(お知らせ参照)。
 お子さんのこころの問題について、まずはお気軽にご相談下さい。

当院への受診をためらっている方へ

 「眠れない」「食事が食べられない」「いらいらして家族とケンカしてしまう」「悲しくて、泣くことが多くなった」「死にたい気分になり自分を傷つけてしまう」「みんなから嫌われている感じがしてつらい」など、心の中のつらく苦しい思いをそのままにせず、話をしてみませんか?受診すると医師や看護師などがあなたのお話を聞いて、どうすれば一番良いか一緒に考えますので、ぜひ病院に来て話をしてみてください。治療を受けてしっかり休むことで、気持ちが楽になることも多いです。今まで悩んでいた学校生活や友人関係、家族関係について解決の方法が見つかるようになるかもしれません。そのお手伝いをさせて下さい。

外来における児童・思春期の患者さんへの関わり

 平日午後から始まる初診外来は、予約制ですが毎日行われており、初診の方専用の待合室もあります。ご本人の不安や緊張感に配慮した対応に努めておりますのでご安心下さい。また、保護者が医師と話をしている間は、外来看護師が、ご本人の年齢に合わせた対応に努めており、安全面にも配慮しています。

多職種による思春期治療チームで早期の社会復帰をめざします。

入院中に関わるスタッフ

  • 医師:面接(精神療法)・薬物療法・家族へのペアレントトレーニング、学習面のフォロー
  • 看護師:日常生活を通して、対人関係・集団活動・感情表出・問題行動への対処・身体症状・家族機能・環境調整などの様々な援助
  • 心理士:集団精神療法(スポーツ等の集団活動を通じて自己表現スキルを学ぶ)や心理検査
  • 作業療法士:作業療法(リハビリ)や生活するためのスキルの学習
  • 精神保健福祉士:福祉相談や地域との連携
  • 栄養士:栄養摂取や成長についての相談

などからなる多職種チームにより治療を行っていきます。
治療経過に伴い、家族との面会や外出・外泊訓練などを経て、早期の退院や、学校への復帰を目指します(平均的な入院期間は60日くらいです)。

教育機関・福祉機関との連携

 治療上、必要と判断された方については、ご家族とも相談しつつ、当院併設の富士見支援学校旭分校と連携し、学習環境も確保しつつ治療を行っていきます。また、必要に応じてこころの発達総合支援センター、精神保健福祉センター、児童相談所や市町村の担当部署などとも連携し、医療と教育、福祉との切れ目のないサポートに努めています。

心地よい居場所の提供

 入院中の生活については、看護師が24時間体制で心のケアを優先し、入院している方々にとって一番良い看護ができているかを常に振り返りながら、心地よい居場所の確保と安全の提供に努めています。また、遊びなどを通して、人間関係を築きながら精神的安定を図っています。

 看護師が中心となって、毎月の思春期活動以外にも、年1回、思春期親子バスレクレーションを開催し、親子の親睦を図っています。

■ 思春期バスレクの一例

  • H23年度 美ヶ原高原美術館への遠足(長野県)
  • H24年度 日本平動物園への遠足(静岡県)
  • H25年度 東京スカイツリーへの遠足(東京都)
  • H26年度 バーベキュー大会の開催(神奈川県)
  • H27年度 三保の松原、東海大学海洋科学博物館(静岡県)

 入院される方は皆、こころに悩みを抱えています。思春期病棟は悩みやつらさを共有できる場にもなっています。初めは緊張するかもしれませんが、みんなすぐに仲良しになることが多いです。心地よい居場所になれば良いと思っています。

退院すると

 退院後、学校や職場への復帰に悩んでいたり、生活リズム作りやストレスの対処方法を学びたい。そうした問題を解決する、リハビリテーションプログラムを提供する場としてピューパ(思春期ショートケア)があります。

詳しくはこちらへ
社会生活支援部ページ
PDF(ピューパ)

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