メニュを開く メニュ
文字サイズ 標準

退院すると薬を飲みません。どうしたらよいでしょうか。

入院治療でせっかく病状がよくなったのに、退院したとたん薬を止めてしまうとは残念ですね。お子さんのように、病院でもらった薬をすべて止めてしまうひともいらっしゃいますが、もらった薬の飲み残しが多く、きちんと飲めていないひとも多いと言われています。毎日のことですから、もらった薬を100%飲めなくても仕方ないのですが、飲み忘れがあったとしても、せめて8割9割くらいは飲んでもらいたいというのが病院の本音です。

薬を止めてしまったお子さんには、薬に対しての心配がひそんでいることもありますので、薬に対する本人の思いを聞いてみたり、ご家族が本人の病状悪化や再発を心配していると伝えてみましょう。薬の副作用で眠さやだるさがあったり、体重増加や性的機能低下を心配している方も多いといわれています。入院中はこのような副作用に気づきにくいのですが、退院して自宅に戻り、もとの生活が再開するとはじめて副作用に気づくかたもあるようです。

薬を止めることを「拒薬」と言いますが、拒薬する理由はさまざまで、単なる飲み忘れや毎日薬を飲むことが面倒という場合もあります。そのような場合は、お薬カレンダーを使うとか、ご家族などに声掛けしてもらうなど、お薬を飲み続けるための工夫が有効なこともあります。ただし、もっと明確な思いから拒薬が続く場合、ご家族が本人と一緒に受診(受診を拒む場合は、家族のみで受診)して主治医と相談するのもよいでしょう。「薬をいつまで飲まなきゃならないのかしら」「そんなにたくさん飲んでいるの」など、ご家族がなにげなく話している会話が本人に影響していることもありますので注意してください。こういう心配はもっともだと思いますし、家で心配するより担当医に質問したほうがよいと思います。

内服がどうしても困難な場合は、持効性注射による治療もあります。1か月から3か月に一度注射するだけで維持治療が行えるため、飲み忘れを防ぐ有力な手段となっています。再入院が減ることもわかっています。持効性注射については主治医と相談するとよいでしょう。さらに訪問など第三者(訪問看護や保健師の見守りなど)がご自宅を訪問し療養生活を応援してくれるサービスもあります。訪問スタッフが本人の健康管理にかかわってくれるため、本人の内服が中断しづらくなります。ご利用については担当医にご相談ください。

ページの
先頭に戻る