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令和3年度 病院指標

令和3年度 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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↑ 【厚生労働省のページ】

1. 年齢階級別退院患者数

 当院の一般病棟を退院した患者さんの合計は、前年度(2020年度)から985人(8.7%)増加しており、すべての年代で増加が見られました。

 また、当院の患者さんは60代以上が全体の7割程度を占めており、中でも70代の患者さんの割合が28%で最も多く、次いで80代が19%、60代が16%となっています。

 一方で、当院は県内で唯一厚生労働省の定める総合周産期母子医療センターがあり、乳児の患者さんの割合が比較的高いのが特徴です。

(※ なお、本指標には新型コロナウイルス感染症治療及び正常分娩の患者さんは含まれておりません。)

2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

 呼吸器内科では、呼吸器外科と協力し、患者さんが安心して治療を受けられるように努めています。最も多いのは、手術不能肺がんの化学療法導入や術後補助化学療法導入に伴う入院で、薬剤の種類や合併症の有無で分類されますが、総数としては300件以上となっています。骨転移や脳転移に対する放射線治療の際にも通院で治療が困難な場合、当科で入院主治医となり治療を行っています。外来通院で化学療法を行う件数も免疫チェックポイント阻害薬を含めて増加しています。検査入院として気管支鏡検査を目的とした入院例が多く、苦痛や不安の軽減のため適切な鎮静を行い安全に実施しており多施設からの紹介もあります。肺炎、間質性肺炎に対する急性期の治療や、特発性肺線維症に対する抗線維化薬の導入治療も積極的に行っている他、呼吸不全診療の充実や抗酸菌感染症診療にも取り組んでいます。

 高齢化に伴う誤嚥性肺炎を主とする呼吸器感染症の増加、当院の姿勢として休日夜間を問わない発熱患者に対する救急対応の受け入れに反映して肺炎入院件数が増加しており、適切な診断、治療を開始し地域の病院への転院へ連携しています。また当科においては新型コロナウィルス感染症の中等症~重症の受け入れも救命救急科とともに積極的に行い適切な薬剤による重症化させない治療を念頭に診療にあたっています。

※コロナウィルス感染症による入院は包括評価ではないため、集計に含まれません。

 消化器内科で最も多いのは急性胆管炎の患者さんです。胆管結石や癌により胆管が閉塞し、感染を伴うと命にかかわる感染や肝不全をきたします。内視鏡を用いた結石除去やステントといわれるチューブを留置し、感染した胆汁の排泄を促します。また、癌の場合には金属ステントという形状記憶合金性のメッシュや樹脂製のチューブを挿入し黄疸の改善を図ります。2番目に多いのは大腸ポリープの患者さんです。内視鏡を用いて切除しています。3番目に多いのは早期胃癌の患者さんです。全国一短い入院期間で内視鏡的切除をしています。4番目に多いのは膵臓癌の患者様です。診断のために内視鏡を用いて、胃や十二指腸から膵癌の生検を行う場合や、抗癌剤の投与を行っています。5番目に多いのは胃十二指腸の患者さんです。吐下血で救急搬送されることが多く内視鏡的に止血処置をしています。

 循環器内科では冠動脈疾患、不整脈、心不全など循環器疾患のすべてに対応しております。冠動脈インターベンション手術は年に約200例以上施行し、不整脈に対するアブレーション治療も近年、コンスタントに300例程度施行しております。

 ペースメーカ挿入はもちろんのこと、治療施設に限りのある植込み型除細動器や両心室ペーシング、リードレスペースメーカ、皮下植込み型除細動器などの挿入も施行しております。

 今後も施設認定などを経て、多くの手技を可能にしていく予定です。

 糖尿病(1型糖尿病・2型糖尿病)、内分泌疾患(甲状腺疾患、副甲状腺疾患、視床下部・下垂体疾患、副腎疾患)、二次性高血圧を中心に診療を行っています。症例数の最も多い2型糖尿病では、教育入院に力を入れています。糖尿病教育入院は主にクリニカルパスを使用し1週間入院、2週間入院の2種類のコースがあります。糖尿病専門医だけではなく、病棟看護師、管理栄養士、薬剤師、検査技師、理学療法士で構成されたチーム医療で生活習慣の改善指導を積極的に行っています。そのほか、糖尿病患者の高齢化に伴い、感染症などの合併症治療や、血糖高値で手術ができない場合にインスリンで術前コントロールを行うことも増えています。1型糖尿病患者のインスリンポンプ療法の導入もしています。また、糖尿病の合併症の診断と治療は、眼科、腎臓内科、循環器内科、泌尿器科、産科などとの緊密な連携のもと行っています。

 腎臓病の原因は多岐にわたり、治療法も異なる為、血液検査、尿検査、超音波検査、腎生検などにより原因を診断したのち、適切な治療を提供しています。

 発症初期から透析期まで、腎臓病の全病期を一貫して担当している当科の特徴を活かし、長期的な展望に立った診療を行っています。

 血液内科では薬物療法を中心に、急性白血病は入院で、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫は外来治療を中心に行い、入院はできるだけ短期間とし、患者さんの体力を落とさないようにQOLを保ちながら日常生活に早く復帰できるよう努めています。薬物療法で治療が困難な場合は、造血幹細胞移植に切り替え治癒を目指します。造血幹細胞移植については、血縁、非血縁、臍帯血、ハプロ、自家移植等から最適な移植法を選択し、最適なタイミングでの移植を行います。当院で診断から薬物療法・移植、退院後の体調管理まで一貫して行うことで、患者さんの健康を責任持って管理いたします。

 膠原病とは、自らの身を守る免疫機能が誤って自己を攻撃してしまう病気であり、長期にわたって免疫を抑える治療が必要になります。発症時、治療経過中の病状悪化時、感染症などの合併症が出現したときなどに入院の必要性が生じます。特に発症時には、身体症状に加えて血液、画像、病理学的検査などを組み合わせて病気を診断確定し、その病状に合わせてステロイドや免疫抑制剤を組み合わせた治療を行いますので入院期間が長くなります。また、感染症による入院では抗生物質の十分な投与期間を必要とするため、入院期間の短縮が難しいこともあります。本年度は全国平均とほぼ同様の入院期間との結果となっています。今後とも必要な在院期間は十分保ちつつ、しかし可能な限り早く退院できるように一層努力していきたいと思います。なお、関節リウマチ患者さんは外来で加療することが多く、内科的に入院の必要がある例はとても少ないです。

 昨年に比べADLの悪い高齢者の尿路感染症症例が増えました。急性腎盂腎炎の標準治療期間は10-14日間です。途中で飲み薬に切り替えて早期退院できる若い方と、耐性菌やADLが悪くて入院期間が延びる方の二極化がこのような結果になっていると思います。入院当日から退院経路を模索するようにしています。

 2021年度は肉腫の患者さんの化学療法が多くなりました。人数は多くないのですが、繰り返しの入院が必要なため延べ数が多くなっています。山梨県では軟部肉腫の化学療法を引き受ける診療科がほとんどありません。

 小児科では、地域の小児科開業医や県内全域の関連病院と連携して二次小児医療を展開しており、当院の総合周産期母子医療センターと連携する中で、脳性麻痺や先天奇形などのさまざまな基礎疾患を有するお子さんたちも支援しています。新型コロナウイルスやRSウイルスなどのウイルス感染に起因する呼吸器系疾患や緊急搬送を要する熱性けいれん、ノロウイルス等に起因する胃腸炎が多く入院します。その他、専門外来ではアレルギー外来開設に伴う食物負荷試験目的での入院、てんかんなどの脳・神経系疾患や先天代謝性異常症や糖尿病などの内分泌/代謝性疾患の病児が多くなっています。

 外科では、悪性疾患に加え鼠径ヘルニア・胆石症などの手術も行っています。また地域医療の観点から患者さんに安心していただける緊急手術にも対応しています。当院での消化器や乳腺の悪性腫瘍の患者さんの平均在院日数は、全国平均と比して短縮されています。今後とも治療が滞りなく行えるように努めてまいります。

 呼吸器外科では、肺がんや気胸などの疾患に対して、外科的治療(主に手術)を施行しております。「肺の悪性腫瘍 手術あり」とは肺がんに対して手術を行った患者さんであり、県内最多の症例数です。平均在院日数も全国平均より大幅に短縮しています。気胸に対する手術症例も県内最多です。現在、当科は、国内有数の呼吸器外科high volume center(多数例を手術する施設)であり、術後治療成績(肺がん術後無再発率、気胸術後無再発率など)、手術合併症率、術後在院日数とも国内トップレベルの成績です。

 心臓血管外科では虚血性心疾患(狭心症など)、弁膜症、大動脈瘤の手術などを幅広く行っています。大血管疾患は増加傾向にあり、特にステントグラフト内挿術は症例数が増えて成績も安定し、入院期間も短縮しています。緊急手術は常時対応可能な体制を整えています。より低侵襲化をこころがけ特に高齢者手術などのさらに在院日数の短縮に取り組んでいきたいと考えています。

 整形外科は四肢の骨折や変形性関節症、変形性脊椎症の手術を主に行っています。高度救命救急センターへ搬送される多発外傷患者・重度四肢外傷患者に対応するため、初療の段階から整形外科医がかかわり、適切なタイミングで治療を行っています。変形性関節症や変形性脊椎症に関しても合併症を伴った難治症例が多く、他科と連携を密にとりながら安全な手術を心がけています。

 脳神経外科では脳卒中、頭蓋内腫瘍、頭部外傷、小児脳神経外科その他脳神経外科疾患を幅広く診療しています。脳卒中急性期症例が最も多く、手術の有無にかかわらずすべて脳神経外科で対応しています。年間約300例の脳卒中入院治療を行っています。特にくも膜下出血、破裂脳動脈瘤の急性期治療、脳梗塞に対する急性期血栓回収術など専門的技術が必要な診療を積極的に行っています。

 小児外科は生まれたばかりの赤ちゃんから中学生までのこどもを対象に、肝臓・腎臓・腸などのお腹の臓器、肺・食道などの胸の臓器、首や皮膚の下の腫瘤(しこりやできもの)など多岐にわたる疾患を扱う診療科です。臓器ごとの専門的な知識や技術が必要な疾患の場合は他の診療科の医師と連携をとりながら診断・治療に当たります。また、治療は患児の成長を妨げないように計画を立てながら安心して治療を受けていただけますよう心がけていきます。

 泌尿器科では尿路の悪性腫瘍や結石など積極的に治療しています。いずれも全国平均よりも短い在院日数です。膀胱がんを尿道から内視鏡を入れて削る手術は3泊4日で行っておりますが、状況により1日短縮できるよう調整します。結石を体外から砕く手術(ESWL)は1泊2日で行っておりますが、2回目以降はおおむね日帰りで行っております。腎盂・尿管がん(尿路上皮癌)の抗がん剤治療は、点滴が長時間かかる部分のみ入院(3泊4日)で行い、それ以外は通院加療がんセンターで行っています。

 2021年の形成外科の手術件数(レーザー照射も含め)は、889例で、入院手術件数:374例、外来手術件数:605例です。手術症例内訳については、最多が皮膚皮下良性腫瘍(母斑・粉瘤・血管腫など)234件、次に眼瞼の手術78件(眼瞼下垂50件・睫毛内反15件・眼瞼内反13件)、先天異常62件(口唇口蓋裂18件・四肢の先天異常7件・耳介5件・眼瞼23件・その他(体幹、顔面)の先天異常9件)、四肢の外傷60件(上肢39件・下肢21件)、悪性腫瘍およびその再建手術47件、顔面骨骨折41件(鼻骨18件・頬骨12件・眼窩5件・顔面多発骨折2件・陳旧性骨折4件)、難治性潰瘍39件(褥瘡4件)、瘢痕拘縮・ケロイド37件、乳房再建35件、顔面軟部組織損傷23件、熱傷8件(植皮5件)、と形成外科の疾患をほぼ全般にわたり行っています。

 あざ専用のQスイッチ・ルビー レーザー照射の症例数は以下のとおりです。

 *扁平母斑・太田母斑・外傷性刺青・異所性蒙古斑: 20例 【保険診療】

 *老人性色素斑(しみ)・刺青(入れ墨): 41例 【自費診療】

 当院では子宮、卵巣の良性、悪性腫瘍ともに積極的に低侵襲手術を取り入れています。加えて早期離床への工夫を行い、全国平均よりも入院期間は短く退院が可能です。

 産科は、自費入院から保険入院に切り替わるケースや、保険入院中であっても一部に自費診療を伴うケースが多くあります。本集計では医科または歯科の包括請求のみ対象とするため、入院患者さんの多くが集計から除外されています。

 地域医療の基幹病院としてあらゆる眼疾患の診断・治療に対応しています。対象疾患は白内障、緑内障、網膜硝子体疾患(網膜剥離、糖尿病網膜症、網膜色素変性症、加齢黄斑変性症、網膜前膜、黄斑円孔など)、角膜疾患、ぶどう膜炎、視神経炎、斜視、弱視などです。眼科の入院のほとんどが手術目的となり、その中でもっとも多い症例は白内障で眼科手術の約85%を占めます。白内障以外で多いのが上記疾患です。

 耳鼻咽喉科では耳、鼻、咽頭、喉頭、頸部など耳鼻咽喉科領域すべての疾患に対応し診療しています。頭頸部外科として、炎症性疾患は元より良性腫瘍、悪性腫瘍の系統的治療(化学療法、放射線治療、手術の三者の併用)や副鼻腔炎の鼻内手術を積極的に行っています。また突発性難聴、末梢性顔面神経麻痺などに対する薬物療法の治療実績も豊富です。

救急科は、山梨県唯一である高度救命救急センターを中心に診療を行っています。当科が担当させていただくのは、重症外傷や熱傷、急性心筋梗塞、脳卒中、心肺停止、薬物中毒などの重篤な方または緊急性の高い方、複数の診療科にわたる重症な方などです。

 また、当科はドクターカーやドクターヘリの運用を担っており、病院外へ医師が出向くことによって救命率の向上を目指しております。当科には年間約2,200人前後の方が救急搬送され、その内約1,500人前後の方が入院いたします。疾患別で搬送が多いのは重症外傷や心肺停止、薬物中毒などです。

3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

 当院のがんに対する治療の目標は、内視鏡治療、外科手術、化学療法、放射線療法といった従来の治療の上にさらにゲノム解析センターと協力してそれぞれの患者さまにより精緻な治療方針を分析、選択施行していくことです。

 2018年4月から消化器外科分野、呼吸器外科分野でロボット支援下手術の保険診療が可能となり、消化器外科分野では、すでに日常診療となった胃癌、食道癌に対するロボット手術のほか、本年度より直腸癌にもロボット支援下手術が徐々に導入されつつあります。

【胃癌・大腸癌】早期がんを中心とした内視鏡治療や腹腔鏡下手術といった低侵襲手術 から、進行がんに対する化学療法を併用した手術までを施行しています。消化器がんの治療では、消化器内科、消化器外科、放射線科、病理科、緩和ケアの各専門医、医療スタッフが互いに連携してチーム医療を行っています。

【乳 癌】乳癌症例は年々増加してきており、本県では最も多くの患者さまの治療を行ってきました。乳癌に対する外科手術、化学療法、放射線療法のほか、ゲノム診療にも対応し総合的な治療を行っています。治療成績も良好です。

【肺 癌】転移を認めるステージⅣの症例が多い状況ですが、外科手術をはじめ化学療法、放射線療法といった治療を呼吸器内科医、呼吸器外科医、放射線科医が積極的に行っています。

【肝 癌】肝胆膵領域においては、内科、外科の各専門医の連携のもと集学的治療を導入し、進行癌症例や再発症例に対しても根治的治療を目指しています。

4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等

 市中肺炎は病院外で日常生活をしていた人に発症する肺炎です。

 重症度は軽症・中等症・重症・超重症の4つに区分されますが、当院で治療を行う患者さんは中等症の割合が61.5%で最も大きく、次いで、重症が21.5%です。

 肺炎の患者さんは高齢者が多く、年齢が高くなるほど重症度も高くなる傾向にあり、重症・超重症患者さんの平均年齢は80歳以上となっています(高齢者は重症化予防のために肺炎球菌ワクチンの予防接種が推奨されています)。

5. 脳梗塞の患者数等

 当院は高度救命救急センターを備えており、24時間体制で脳梗塞の急性期医療に対応しています。

 発症から3日以内に入院となる症例が95%を占めており、平均入院期間は15日程度です。また、発症から早期に当院での急性期治療を行った後は、5割以上の患者さんがリハビリ病院等へ転院しています。

6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

 1番目に多い手術は、急性胆管炎に対して胆管内の膿を排泄する目的や、胆膵癌による胆管閉塞を解除する目的で、胆道ステントといわれる樹脂製のチューブを内視鏡を用いて胆管に留置しています。急性胆管炎では基本的に全例緊急で行っています。2番目に多いのは消化管出血に対する内視鏡的に止血をする手術です。食道や胃、十二指腸の潰瘍などの出血に対し、クリップや高周波電流を使用した内視鏡的止血術です。3番目に多い手術は早期胃癌に対する内視鏡的切除方法です。2mmのメスを用いて内視鏡で腫瘍を切除します。全国で最も短い入院期間で実施しています。4番目に多い手術は大腸ポリープ、腫瘍に対する内視鏡的切除です。4-5cm程度の大きな腫瘍も切除しています。5番目に多い手術は、胆管結石を内視鏡を用いて除去するため、十二指腸側の胆管の出口を切開して広げる手技です。

 冠動脈疾患、不整脈、心不全など循環器全般を高度に、万遍なく網羅しているのが当科の特徴です。

 緊急/待機的な冠動脈治療はもちろんのことペースメーカー治療も多くおこなっております。心房中隔穿刺を伴ったカテーテル心筋焼灼は主に心房細動の予防・治療に施行するものです。コロナ禍にもかかわらず症例数は年々増加しております。

 内シャント設置術は、当科及び心臓血管外科の支援を得て実施しています。新規透析導入例のみでなく、血管閉塞例、他院で作成困難例や人工血管移植術についても積極的に行っています。

 造血幹細胞採取については、患者様の状態やご希望に合わせ末梢血、骨髄両方からの採取を行っています。自家造血幹細胞移植においては、末梢血からの幹細胞採取、移植を行っています。骨髄バンクを介した非血縁ドナーからの骨髄採取も行っています。

 外科での治療は、さまざまな対象臓器に対する手術や多様な治療を実施しています。乳腺疾患においては乳房形成術や再建術を取り入れ整容性に優れた手術を心がけています。一般外科、消化器疾患においては低侵襲な鏡視下手術を積極的に行っており、さらにロボット支援下手術の導入を積極的に行っています。術前入院日数・術後在院日数の短縮をめざして外科外来、病棟、患者支援センターと共に努めてまいります。

 呼吸器外科では、主に肺がんや気胸の手術を行っています。肺がん症例では、標準手術とされる肺葉切除術を中心に、早期がんに対する縮小手術、進行がんに対する拡大手術、などあらゆる手術を施行しています。気胸の手術においても当科独自の改良を加え、再発率は1%以下です(全国平均5-10%)。2015年より当院独自の麻酔法を導入し、術後疼痛は劇的に改善し、患者さんからも好評です。

 心臓血管外科では、弁膜症、冠動脈バイパス手術、大動脈瘤手術などを幅広く行っています。近年増加傾向にある大動脈瘤手術は開胸、開腹法に比較してより低侵襲なステントグラフト法を主に選択しています。成績は安定しており、さらに長期合併症を回避するため術式の工夫を行っています。冠動脈バイパス手術は人工心肺を用いた心拍動下手術を基本術式にしています。僧帽弁逆流症は弁形成を第一選択とし、適応を選んで小切開低侵襲手術を導入しています。また急性大動脈解離症、大動脈瘤破裂、急性心筋梗塞後合併症など緊急手術は常時受け入れ可能な体制を整えています。

 整形外科は四肢の骨折や変形性関節症、変形性脊椎症の手術を主に行っています。高齢者の転倒に伴う骨折の症例が多く、特に大腿骨近位部骨折は寝たきりの原因となるため、準緊急手術として対応しています。それにより早期リハビリテーション介入、転院調整が行えるようになっています。変形性関節症や変形性脊椎症に関しても合併症を伴った症例が多く、他科と連携を密にとりながら安全な手術を心がけています。

 脳神経外科では慢性硬膜下血腫穿頭術が最も多い手術になります。次いで脳動脈瘤手術で開頭術の血管内治療を症例に応じて選択しています。脳動脈瘤手術総数は約40例です。脳腫瘍手術も積極的に行っており、ここ数年は年間10~20例の手術を行っています。

 小児外科の手術は全国的に鼠径ヘルニア根治術が最も多いです。鼠径ヘルニア手術は腹腔鏡での手術と、従来行ってきた鼠径部(足のつけね)を切開して行う手術があり、当院ではどちらにも対応しております。他には停留精巣の手術、さらに、臍ヘルニア(でべそ)、虫垂炎の手術が多くなっています。

 一方で、小児外科では出生後まもない新生児から中学卒業までのお子様に対して、とくに幅広い分野での手術を担当しています。臓器ごとの専門的な知識や技術が必要な疾患の場合は他の診療科の医師と連携をとりながら診断・治療に当たります。また、患児の成長を妨げないような治療計画を立てることが小児外科治療では必要と考えています。

 泌尿器科では、膀胱がん、腎臓がん、前立腺がんの手術を非常に多く行っており、在院日数も全国平均と比べ、大変短くなっています。前立腺がんの手術はほぼ全例で手術支援ロボットを使用しています。また、腎臓がんの手術もほとんどが腹腔鏡、もしくは手術支援ロボットを使用しています。膀胱がんに対する全摘術も多くが手術支援ロボットで行っております。このことにより術後早期に退院可能であり、在院日数は短くなっています。より低侵襲化をこころがけ在院日数の短縮に取り組んでいきたいと考えています。  

 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術については、6~10日の入院期間になっています。皮膚皮下良性腫瘍(母斑・粉瘤・血管腫・脂肪腫など)については、ほとんどが外来手術で行っていますが、大きな腫瘍で摘出術に全身麻酔が必要な症例や、切除後に吸引ドレーン挿入を必要とする症例の場合には、入院手術で行っています。眼瞼下垂症手術や、眼瞼内反症手術については、抗血栓薬などを服用している患者や、合併症のある患者については1泊入院で行っています。

 県内唯一の総合周産期センターとして、年間に約100件の母体搬送を受け入れています。 NICUと連携し、妊娠高血圧症候群、切迫早産・前期破水、多胎妊娠、胎児発育不全といったハイリスク症例を中心に年間に約700件の分娩管理を行っています。 県内の双子の赤ちゃんのうち約80%が当院で産まれています。

 当院では良性疾患の9割以上、悪性疾患も半数で回復がはやく、入院期間の短い低侵襲手術を導入しており、希望される方は年々増加傾向にあります。またロボット手術の件数は全国で常に上位で、他県の医療関係者の方々も見学にくる有数の施設であり、安心して低侵襲手術を受けていただける体制になっておりますになっております。

 また早期子宮頸がんはできるだけ子宮が温存できるような手術を検討しています。

 2021年の手術件数は977件で、その中で最も多い症例は白内障で眼科手術の約85%を占めます。次いで多いのが、糖尿病網膜症、黄斑円孔、黄斑上膜、網膜剥離などの網膜硝子体疾患対して行う硝子体茎顕微鏡下離断術です。局所麻酔の手術では、全例で手術当日入院としています。どの手術でも、全身麻酔の手術では前日入院が必要で、白内障や硝子体手術では認知症や閉所恐怖症など全身麻酔の症例は限られますが、斜視は小児の全身麻酔症例が多いため、術前在院日数が長くなっています。

 炎症を繰りかえす習慣性扁桃炎、IgA腎症などの病巣扁桃、睡眠時無呼吸症候群の原因となっている扁桃肥大に対しての口蓋扁桃摘出術を多く施行しています。また耳下腺や顎下腺などの大唾液腺にできる良性および悪性腫瘍の手術、甲状腺癌の手術を多く行っています。

 救急科は、重症外傷に対する開頭、開胸、開腹手術やカテーテルを用いた血管塞栓術を行っております。重症外傷に対する救命のための手術を行えるのは当科の最大の特色と言えます。また、重篤な呼吸・循環不全の方には経皮的心肺補助法(ECMO)を積極的に導入しており、救命率の向上につなげております。救命された後の呼吸補助のために気管切開術を施行して、長期生存およびADL(日常生活動作)の向上を目指しております。さらにカテーテルによる治療として、発症早期の脳梗塞に対し経カテーテル的脳血栓回収術を脳神経外科と協働で行っております。

7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

“DIC”

 重症例の治療を行っている当院では、入院後に発症したDICに対して治療を行う場合と、入院時より重症な状態を呈している患者さんの治療の双方に対して、リコモジュリンやアンチトロンビンⅢ製剤を投与した治療を行っています。2021年度は、2020年度よりも入院時からDICの診断で治療を行う患者さんが多い傾向にありました。

“敗血症”

 当院は重症症例が多く、なかには敗血症を発症する症例もあります。必要に応じて治療薬の投与や血液浄化療法等の治療を行います。

“手術・処置等の合併症”

 入院契機病名(入院のきっかけとなった病名)と「同一」の発生率が高く見えますが、入院中に手術・処置の合併症が発生することは少数です。術後の創部感染等の他に、透析患者さんのシャントトラブル(透析を行うために必要なシャントが血栓などで閉塞し使用できなくなる)治療(経皮的シャント拡張術・血栓除去術等)を目的とした再入院等も、この指標に含まれています。

掲載内容に関するお問い合わせ

地方独立行政法人山梨県立中央病院

医事課

電話番号
055-253-7111(代)

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