メニュを開く メニュ
文字サイズ 標準

精神科救急医療

 当院では、精神科救急治療に対応できる2つの救急病棟(病床数は合計93床)があり、精神的な治療が必要な方への専門的治療やリハビリを積極的に行っています。平成29年度1年間では、この2つの救急病棟に514名の方が新たに入院されました。平均的な入院期間は1ヶ月半をやや超えるくらいで、その間につらい精神的症状や病状の改善をはかり、もとの生活へ無理なく復帰するための準備を行っていきます。入院中は担当の医師、看護師、作業療法士、ケースワーカー、管理栄養士、心理士、薬剤師など多職種が関わり、入院した方それぞれの目標をうかがいながら回復を目指していきます。

 当院に入院される方の多くは、仕事や学校、家庭生活のストレスなどにより精神的に疲れてしまったり、つらい精神的な症状をかかえられた方で、睡眠や食事がとれなくなっている方も多いです。また、対人関係では、自信を失っていたり、自分の気持ちをひとに伝えることが苦手な方もみられます。症状の改善には薬物療法も行いますが、担当スタッフと話したり考えたりする中で精神的な回復をはかっていきます。身体拘束を当院では長らく行っていないことで全国的にも有名です。入院中にすべての問題が解決しないこともありますが、課題の解決に向けて退院後も通院やリハビリプログラムによりフォローアップしていきます。当院が行っている精神科の先進的治療としては、クロザピンという薬の治療や頭に短時間電気的刺激を加える通電治療があります。それについては別項をご覧下さい。

 当院は山梨県の精神科救急事業にも関わっています。平成27年2月にはじまったこの事業により山梨県では精神科救急の24時間体制が確立しましたが、当院では、県の精神科救急受診相談センターからの紹介により平成29年度1年間に47名の方の入院治療を担当しました。これはセンターの紹介で県内の精神科病院へ入院された方の32.9%に上ります。また、当院は平成29年度山梨県で発生した緊急入院例(措置入院、緊急措置入院、応急入院)の44.5%(26件/63件)を対応しました。当院は、今後も当院を利用される方々の視点を大切にしながら、県の基幹病院としての役割をはたせるように最善をつくしてまいります。

ページの
先頭に戻る