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クロザピン・m-ECT実施体制

 当院で行っている専門的な治療としてクロザピンと通電治療について説明いたします。

 クロザピンは、統合失調症という精神的な病気に使われている治療薬の1つですが、承認を受けた病院でしか使えないため、日本ではまだ十分普及していません。クロザピンは、精神的な症状でまわりに関心が持てなくなった方、イライラして落ち着かなかったり興奮性の強い方、病状がよかったり悪かったりを繰り返す方、大量の水分をとり続けている方などに使われると効果的です。あと一歩のところがよくならないような方にも効果が期待できます。当院はいままでに100名以上の方を治療した経験があり、クロザピンの経験例数は全国トップレベルの病院です。クロザピンが投与されて再入院しなくなったり、長い入院からようやく退院できた方も出てきています。
 当院では平成30年7月時点で105名の方に治療を行い、56名の方が継続中となっています。クロザピンを飲み始めて中止した方の理由はさまざまですが、一部の方に白血球数が減少する副作用が発生するため、クロザピン治療を継続するためには定期的な採血やその他の検査が必要となります。当院では、心エコー検査を含む副作用のモニタリングを行いながら安全に治療が継続できるように工夫を行っています。クロザピンについて詳しくお知りになりたい方は担当スタッフにご相談ください。

 通電治療は1938年にイタリアで開発された古くて新しい治療法です。カッコーの巣の上で(1975)というアメリカ映画にも登場し、過去には批判的に描かれたこともありましたが、現在は「サイマトロン」という医療機器が導入されて、「修正型電気けいれん療法」(m-ECT)として安全に実施できるようになりました。当院で平成29年度の一年間にこの治療を受けた方は70名で、うつ病、躁うつ病、統合失調症の方の重たい精神的な症状の改善に効果的な治療法です。
 当院の通電治療は、国立精神・神経センター武蔵病院(現 国立精神・神経医療研究センター)の野田隆政先生からご指導をいただき平成19年度から開始したもので、現在は週3回、山梨大学医学部付属病院麻酔科のご協力をいただきながら全身麻酔下で実施しています。通電治療は、入院いただいて実施する治療法となりますが、混んでいる時期には治療がすぐ受けられない場合もあります。通電療法について詳しくお知りになりたい方は担当のスタッフにご相談ください。

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