多飲症への取り組み
「多飲症」とは、異常な喉の渇きで飲む量がコントロールできず、日常生活に支障を来す病気です。
当院は1999年に多飲症治療病棟を開設、2003年に抜本的な活動プログラムと教育システムの見直しを開始、2010年には医学書院から【多飲症・水中毒】の参考書が出版されました。
(多飲症・水中毒~ケアと治療の新機軸~ 編:川上 宏人/松浦 好徳)
看護部では多飲症の患者さんに対して、「上手な水の飲み方」を目標にして取り組み、そのかかわり方を示してきました。
「かかわりのポイント」
1)患者さんの気持ちと状況を理解しようとする姿勢。
2)患者さんと一緒に、安全に水が飲める方法を考える。
3)患者さんのできる力や可能性を考える。
4)患者さんにかかわるスタッフ全員が、情報を共有して同じ様に対応する。
「申告飲水」:看護室に水を飲みに来てもらう事
1)水を制限するのでは無く逆に提供することで、安心感を得てもらう。
2)患者さんが飲みに来る度に看護師が対応するので、信頼関係を築く機会が増える。
3)患者さんは蛇口から直接飲みがちですが、コップで飲むことで多量に飲むことを予防する。
4)患者さんが飲んだ量を看護師が把握しやすいので、むやみな制限を予防できる。
「多飲症心理教育」:STEP1~5に分けた段階的な教育プログラム
患者さんに合ったかかわりを見付けて、患者さんに寄り添いながら社会生活復帰を目指しています。
*日本精神科看護協会や医療福祉施設から、「多飲症看護」についての講義依頼を受けています。