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自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント

[表紙]自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント
:松本俊彦
出版社
:講談社

 リスカがどうしてもやめられないという人が身近にいらっしゃいますか。本書は、第Ⅰ部「自分を傷つける生き方を理解する」、第Ⅱ部「自分を傷つける生き方から回復する」の2部からなり、 「自傷」というストレス対処行動の全貌が解説された読みやすく実用的な本です。自傷が自殺とは意味合いの異なる行為であること、本人にとって自傷は、つらい状況を変えようとして繰り返される切実な行為であって、 自傷すると、つらい気持ちや対人関係に(一時的にではあれ)好ましい変化が生じることも語られています。しかし自傷を続けることの弊害についても率直に語られています。

 自傷する人によく見られる(自分を否定される、誰かに支配される、相手に本当のことを言えない)対人関係についての洞察は的確で、自傷のトリガー(引き金)を発見する方法や回復に役立つ方法も具体的に紹介されていますので、 自傷に苦しんでいる本人はもとより、そのご家族や精神保健関連のスタッフにも是非読んで欲しい本です。

 著者の松本先生は、精神科病院・クリニックの医師やスタッフが自傷をやめられない本人にどんな思いでのぞんでいるのかを代弁してくださっており、回復をどう応援していけばよいのか、私も本書から多くの示唆をいただきました。

(精神科医局 宮田量治)

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