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ぼくが前を向いて歩く理由

[表紙]ぼくが前を向いて歩く理由
:中村成信
出版社
:中央法規出版

 前頭側頭型認知症にかかった市役所職員・中村さんの体験をつづった本です。 地元の茅ヶ崎海水浴場を「サザンビーチちがさき」に改称し、茅ヶ崎市のまちおこしに貢献するなど、やり手の職員だった中村さんが唐突にスーパーで万引きして逮捕され、公務員を免職されてしまいました。 この事件後、はじめて精神科にかかり、50代の若さにして認知症と診断されたことへの混乱や葛藤から中村さんの再生の物語ははじまります。 認知症の受容、認知症の家族会との出会い、公務員職の復権、そして家族や支援者の支えとともにある充実した日常。

 わたしは、北病院でご指導をいただいた故吉田芳子先生が中村さんの主治医として登場する箇所を何度も読みました。 「あなたのほうは大丈夫ですか。」付き添いのご家族にもそのような優しい言葉をかけられ思いをくだかれる吉田先生の温かい言葉をもう直接聞くことはできませんが、 わたしはこの本を読むたび、吉田先生のように頼りにされる主治医になりたいと切に思います。

(精神科医局 宮田量治)

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