統合失調症がやってきた
100人に1人は発症すると言われている統合失調症。統合失調症は以前よりも治りやすい、社会復帰も可能な病気という認識が行き渡りつつある。
今回題名に惹かれて読んでみた。当事者本人の発症から受診・入院・退院・そして復帰への思いが赤裸々に書かれている。 病気は予定された出来事ではない。あとで考えてみると変化に気づくこと、思い当たることがある。 だからといってすぐ受診するとは限らない。病気に対する不安や恐れ、医療に対する不信感、あるいは羞恥心から受診をためらう人は少なくない。 精神科の治療は、治療者・患者の関係性のなかで成り立つ行為である。 当事者である筆者は居場所を失いたくない思いで薬を自己調整したことで具合が悪くなり閉鎖病棟、保護室入室となっていった。 ひとりの主治医との出会いによって、自分の気持ちを正直に伝え、積極的に治療に参加することができ、回復につながった。 継続治療の大事さも書かれている。
この本を読むことで、病気の理解・当事者の辛さが理解でき、 地域に住む住人としてどう接していけばよいかが広まるとよいと思う。
(社会生活支援部 訪問担当 清水美津子)