ボクのことわすれちゃったの? ―お父さんはアルコール依存症―
お酒を飲んだお父さんが家で毎晩暴れる・・。こんなつらい体験をしている子どもが沢山います。この絵本では、つらい体験を重ねると子どもがどんな気持ちになりやすいのか、少ない言葉とやさしい絵で、切々と語られています。 誰にも相談できずひとりで耐えるしかないボク。お父さんへの複雑な思いを抱えつつも、ボクはお父さんに手紙を書き、お父さんは、酒がやめられないと言って泣きながらお酒を飲み続けましたが、ついにお酒をやめる決心を固めました。
本書は、子供向けの疾患教育の絵本ですが、読んだ大人はたぶん、ボクのことが可哀想で泣いてしまうことでしょう。まわりの大人は、秘かに傷ついている子ども達にも気持ちをくだき、安心感を与えられる存在であってほしい。 巻末には子どもへの対応のポイントや相談先も記載されてあり、指導の際、参考になります。本書はシリーズ化され、お母さんがうつ病になったの、統合失調症になったの(前編・後編)も読むことができます。
(精神科医局 宮田量治)