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不登校・ひきこもりが終わるとき:体験者が当事者と家族に語る、理解と対応の道しるべ

[表紙]不登校・ひきこもりが終わるとき:      体験者が当事者と家族に語る、理解と対応の道しるべ
:丸山康彦
出版社
:ライフサポート社

 全国に100万人以上いると言われている不登校・ひきこもりはきわめて深刻な問題です。本書は、「ごかいの部屋」というネットで人気のコンテンツをもとにしており、不登校やひきこもりに悩む本人の状況や気持ちに寄り添った内容です。 不登校・ひきこもりが起こる原因や家族の対応法、そして、本人が不死鳥のように生まれ変わり、不登校・ひきこもりが終わるときの様子までが語られており、明るい展望もみえてきます。

 自分自身、不登校・ひきこもりの長い経験がある著者の丸山によると、不登校・ひきこもりとは、「今の生き方では、いずれ行き詰まる」という違和感や不安を感じた本人が、その場所から「いったん退却して自分を創り直して再出発する」までのプロセスです。 本人に関わる家族は、出口の見えないトンネルを歩く思いの本人に寄り添い、(先導するのではなく)後方から(家族の思いを押し付けずに)支援した方がよいと書かれています。

 ともすると、すべての人に、社会復帰(つまり仕事につくこと、学校へいくこと)を最終的なゴールとして求めてしまいがちな医療機関。実は支援の本質をはずしてしまっている可能性があることを私たちも反省しなければなりません。

(精神科医局 宮田量治)

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