高齢化と関連し、急増する肺癌診療、慢性閉塞性肺疾患、呼吸器感染症を中心にさまざまな呼吸器疾患に対応しております。 また、山梨県内では唯一の結核隔離病床を有し、保健所と連携し、DOTSカンファランスを行って、全県の対応をまとめています。
当院では平成27年入院症例(約700症例)中40%を肺癌症例が占め、重要な柱となっています。診断、治療導入への早急な対応をめざし、呼吸器外科、 放射線科と連携し、カンファランスで毎週症例検討が実施されます。平成28年4月以降は肺がん・呼吸器病センターとして発足し、肺がん診断・治療の早期導入 および術後治療および合併症対応など緊密な連携が実践され、内科・外科それぞれの視点から呼吸器疾患を総合的に連携して診療に当たっております。
また、緩和ケア科などとも連携し、症状緩和を含む薬物療法、手術、放射線治療などの集学的な治療を積極的に行っております。 呼吸器(肺癌)症例検討会を毎週(水曜日)に行い、呼吸器キャンサーボードと合わせ、呼吸器外科、放射線科および看護スタッフと合同での検討も行っております。
気管支内視鏡は250件/年間実施され、検査件数はさらに増加傾向となっています。肺癌診断に関しては、最新の診断方法(超音波気管支内視鏡検査など) を導入し、EBUS-TBNA(縦隔リンパ節針生検)は年間50例程度実施し、確実な診断・治療が実践されています。さらに、平成27年から局所麻酔下胸腔鏡検査が導入され、 診断不明の胸水症例精査に施行されています。
2015年4月以降、呼吸器外科で開設した気胸ホットラインが全県にて稼働開始しました。 これによる難治性気胸への対応について、気管支内視鏡でのシリコン充填物(EWS)を用いた内科的治療も開始しました。
呼吸不全診療に関しては人工呼吸器の安全な使用および適切な治療継続を目標に院内の臨床工学士、看護師、歯科衛生士および理学療法士が連携したRSTが活動し、 人工呼吸器関連の学習会が7回/年実施され、充実した教育が行われています。呼吸不全に対する酸素療法、マスク型呼吸器、ネーザルハイフローシステムを活用した 安全で質の向上した非侵襲的人工呼吸管理が実践されています。
当院の呼吸器内科は東京医科歯科大学呼吸器内科および山梨大学第二内科と連携し、臨床研究・新薬治験などに積極的に取り組み、 日々の呼吸器診療の質の向上に積極的に取り組んでおります。セカンドオピニオンを含めた患者さまの様々なご希望に対応し、常に最適な診療を心がけております。
日本内科学会教育関連施設
日本呼吸器学会認定施設
日本呼吸器内視鏡学会関連施設
都道府県がん診療拠点病院
エイズ治療中核拠点病院
医師 | 出身大学 | 資格・所属学会等 |
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肺がん・呼吸器病センター統括部長 宮 下 義 啓 みやした よしひろ |
自治医科大学 (昭和61年卒) |
日本内科学会総合内科専門医 日本呼吸器学会指導医 結核・抗酸菌症指導医 がん治療認定医 ICD(インフェクションコントロール) 緩和ケア研修 修了 |
呼吸器内科 部長 柿 崎 有美子 かきざき ゆみこ |
自治医科大学 (平成10年卒) |
日本内科学会総合内科専門医 |
呼吸器内科 医長 筒 井 俊 晴 つつい としはる |
山梨大学 (平成17年卒) |
医学博士 日本内科学会認定医 日本呼吸器学会専門医 日本肺癌学会 結核学会 緩和ケア研修 修了 |
呼吸器内科 医師 小 林 寛 明 こばやし ひろあき |
山梨大学 |
日本内科学会認定医 |
呼吸器内科 専攻医 猪 俣 紀 恵 いのまた きえ |
山梨大学 (平成28年卒) |
日本内科学会 日本呼吸器学会 日本肺癌学会 緩和ケア研修 修了 |
呼吸器内科 専攻医 熊 谷 隆 くまがい たかし |
東京医科歯科大学 (平成29年卒) |
日本内科学会 日本呼吸器学会 日本肺癌学会 緩和ケア研修 修了 |
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通院加療がんセンター稼働に伴い、肺癌抗癌剤治療の外来移行化が進み、入院患者数は減少し、外来再来患者数増加となっている
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