山梨県内の腎臓内科医はいまだ少なく、当科は山梨県の内科的腎臓病の診療に関して基幹的な役割を担っています。 また、発病初期から透析期まで、腎臓病の全病期を一貫して担当している当科の特徴を活かし、長期的な展望に立った診療を心掛けています。
腎臓病の原因は多岐にわたり、治療法も異なる為、血液検査、尿検査、超音波検査、腎生検などにより、原因を診断したのちに適切な治療を計画しています。
腎炎の種類には、ステロイド剤を中心に、免疫抑制剤や血漿交換療法の併用も考慮した診療を行っています。
近年は、生活習慣病(特に糖尿病や高血圧)による腎臓病が多く、増加傾向にあります。生活習慣病を適切に治療することで、腎臓病を予防し、また腎臓病を進行させない事が重要です。
程度の違いはありますが‘成人の8人に1人は慢性腎臓病‘であり、新たな国民病と言われています。 全ての慢性腎臓病患者さんを腎臓内科医のみで診療することは不可能である為、かかりつけ医が中心となり当院でも併診する診療形式(病診連携)も行っています。
皆様に腎臓病についての理解を深めて頂く為に、腎臓病教室を定期的に開催しています。 内容は、「腎臓の働きと治療」、「食事療法、運動療法」、「薬と検査」、「日常生活と腎代替療法、社会制度」があり、 それぞれの専門職種が講話を担当していています。
腎臓病が進行してしまい尿毒症となった際には、透析治療(血液透析治療あるいわ腹膜透析治療)が必要となります。 適切な時期に治療開始できる様に、血液透析治療を選択した場合には事前に内シャント造設術が必要です。
血液透析治療を円滑・確実に受ける為には、内シャント血管が非常に重要です。 血管に細い部位が生じて血流が悪くなった際には、内シャントPTA(血管内カテーテル手術)を行い、細くなった部位を拡張して血流を良くします。 適切な時期に治療することで、再度の内シャント造設術を回避します。
腎臓病以外で特殊な血液浄化療法(血漿交換療法、吸着浄化療法、持続型血液濾過透析療法など)が必要な場合には、 各診療科からの要請に対して最適な血液浄化療法を提供しています。
患者さんの困っている事に対して、最新・最善の専門的医療が提供できるよう、今後も尚一層の努力を重ねていく所存です。
(日本腎臓学会研修指定施設・日本透析医学会研修認定施設・日本アフェレシス学会認定施設)
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
腎生検 (例/年) |
32 |
45 | 63 | 54 | 36 |
血液透析導入 (例/年) |
95 | 70 | 75 | 89 | 56 |
内シャント造設術 (例/年) |
133 | 107 | 112 | 115 | 100 |
内シャントPTA (例/年) |
63 | 68 | 67 | 75 | 81 |
血液透析 (件/年) |
16,016 | 15,893 | 16,842 | 16,783 | 16,341 |
血漿交換・ 吸着浄化・ 腹水処理 (件/年) |
54 | 37 | 63 | 75 | 68 |
持続型血液濾過 透析(件/年) |
295 |
300 | 275 | 243 | 240 |
医師 | 出身大学 | 資格・専門医等 |
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副院長 |
日本医科大学 (昭和58年卒) |
日本内科学会総合内科専門医・指導医 |
中央診療統括副部長 温井 郁夫 ぬくい いくお |
山梨医科大学 (平成10年卒) |
日本内科学会総合内科専門医・指導医 |
腎臓内科 部長 長沼 司 ながぬま つかさ |
聖マリアンナ医科大学 (平成21年卒) |
日本内科学会総合内科専門医 日本腎臓学会専門医 日本透析医学会専門医 |
医師 諏訪 裕美 すわ ゆみ |
山梨大学 (平成27年卒) |
日本内科学会認定医
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専攻医 三枝 なつみ さえぐさ なつみ |
山梨大学 (令和2年卒) |
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専攻医 (リウマチ・膠原病科 兼務) 新井 詩織 あらい しおり |
東海大学 |