当科は、地域の小児科開業医や県内全域の関連病院と連携して二次小児医療を展開する小児医療の基幹施設として、平日は診療所やクリニックからの紹介患者様や救急搬送された患者様を、夜間休日は国中地域(甲府盆地内)の2次輪番病院の当番日である場合には小児初期救急医療センターから紹介された患者様や救急搬送された患者様を、積極的に受け入れています。集中治療が必要な重症患者様は、山梨大学小児科と連携し適宜受け入れを行っています。外来診療では、午前は紹介患者様の診療を、午後は神経・発達、内分泌・代謝、循環器、血液などの専門的治療を必要とする患者様の診療を行っています。
入院の受け入れは、小児26床・成人13床の小児・成人混合病棟で行っています。入院する患者様は、15歳以下の主に小児科、小児外科の患者様ですが、形成外科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、救命救急科、脳神経外科など多岐にわたる科の患者様も入院しています。15歳以上であっても小児慢性特定疾病の患者様は、20歳未満の場合には小児病床に入院して頂いていますが、当院かかりつけで、小児慢性特定疾病に該当しない15歳以上の患者様や、20歳を超えてしまった小児慢性特定疾病の患者様は、同じ病棟内の成人病床に入院していただき、小児科で継続的に診療を行っています。
当科の特徴は、小児外科をはじめとした各科と連携を行い、一人ひとりの 患者様に様々な面からの医療を提供していることです。患者様には可能な限り早く、普段の生活に戻れることを 目指し診療を行っています。その目標の為に、我々は地域連携を大切にし、ご紹介頂いた施設や医院と緊密に連携し、細やかな医療を提供できるよう心がけています。
総合母子周産期センターや高度救命救急センターを擁する当院の性質として、退院後も専門性の高いフォローを必要とされるお子様がいらっしゃいます。この様なお子様に対して医療の提供に滞りがないように地域と連携し、医療的・福祉的なサポートも行っています。日常的に医療ケアが必要なお子様(医療的ケア児)の在宅療養管理や必要に応じた入院管理も、当科の重要な役目となっています。さらに、最近では診療に加えて社会的な対応を求められることも多くなり、新生児内科医、産科医、看護師、ソーシャルワーカー、児童相談所、地域の保健師や教育関係者等の多職種間での連携を図り、こどもを守る活動も行っています。
当院は総合周産期母子医療センターを擁するため、脳性麻痺や先天奇形など様々な基礎疾患を有するお子様の多くが、当科をかかりつけとしています。近年は基礎疾患を有するお子様が増えておりますが、これまで以上に手厚い支援や医療の提供ができるよう心掛けています。救急では緊急搬送を要する熱性けいれん、専門外来ではてんかんなどの脳・神経系疾患、低身長や糖尿病などの内分泌・代謝疾患の患者様が多くなっていますが、他の診療科や関係部署、地域と連携を取りながら丁寧で安心な診療を提供しています。
今後もスタッフそれぞれが山梨県の小児医療に更に貢献できるよう、チームで努力を続けてまいります。
外来患者数(初診数) | 年間 7,406人(1,255人) |
入院患者延べ数 | 年間 3,804人 |
救急患者受け入れ総数(延べ) | 年間 1180人 |
集中治療室(ICU)管理延べ人数 | 年間 8人 |
【原著論文】
・Harama D, Goi K, Saito K, Sato H, Somazu S, Furuichi Y, Takahashi K, Oshiro H, Nakamura M, Sawanobori E, Sato K, Tsuruta M, Murakami Y, Shinohara T, Nemoto A, Kasai S, Tamai M, Watanabe A, Akahane K, Kojika S, Sugita K, Inukai T. Decreased incidence of acute immune thrombocytopenia in children during the COVID-19 pandemic. Int J Hematol. 2023 Feb;117(2):307-308.
・Fukao T, Sano F, Nemoto A, Naito A, Yanagisawa T, Imai K, Hiroma T, Inaba Y, Kanemura H, Aihara M, Inukai T, Kaga Y. Factors associated with the development of epilepsy in very low birth weight infants. Pediatr Neonatol. 2022; in press.
【症例報告】
・Shinohara T, Hasebe Y, Watanabe D, Sakurayama T, Maebayashi Y, Numano F, Saito T, Koizumi K, Nemoto A, Saito A, Oyama T, Oyachi N, Hoshiai M, Atsushi Naitoh. Giant pulmonary bulla causing respiratory compromise in a very low-birthweight infant. Clin Case Rep. 2022; 10: e06577.
【原著論文】
・Katsumata N, Harama D, Toda T, Sunaga Y, Yoshizawa M, Kono Y, Hasebe Y, Koizumi K, Hoshiai M, Saito T, Hokibara S, Kobayashi K, Goto M, Sano T, Tsuruta M, Nakamura M, Mizorogi S, Ohta M, Mochizuki M, Sato H, Yokomichi H, Inukai T. Prevention Measures for COVID-19 and Changes in Kawasaki Disease Incidence. J Epidemiol 2021;31:573-80.
・Watanabe D, Yagasaki H, Narusawa H, Saito T, Mitsui Y, Miyake K, Ohta M and Inukai T. Screening of frequent variants associated with congenital hypothyroidism: a comparison with next generation sequencing. Endocr. J. 2021;68:1411-9.
・Harama D, Yahata T, Kagami K, Abe M, Ando N, Kasai S, Tamai M, Akahane K, Inukai T, Kiyokawa N, Ibrahim AA, Ando K, Sugita K. IMiDs uniquely synergize with TKIs to upregulate apoptosis of Philadelphia chromosome-positive acute lymphoblastic leukemia cells expressing a dominant-negative IKZF1 isoform. Cell Death Discov 2021 Jun 11;7:139.
【原著論文】
・Saito T, Kobayashi Ko, Kobayashi Ki, Mochizuki M, Yagasaki H, Makino K, Narusawa H, Watanabe D, Mitsui Y, Sato K, Sano T, Ohta M, Yokomichi H, Amemiya S. Incidence of childhood type 1 diabetes mellitus in Yamanashi Prefecture, Japan, 1986‐2018. Endocrinology, Diabetes & Metabolism 2020 Dec 14;4(2):e00214.
【症例報告】
・Harama D, Kobayashi K, Toda T, Sugita K, Ikeda H. Infective endocarditis caused by non-typeable Haemophilus influenzae. Pediatr Int. 2020 Jan;62(1):114-115.
医師 |
専門分野 |
専門医・資格 |
臨床研修センター センター長 |
小児科一般 |
日本小児科学会専門医・指導医 |
山梨医科大学 |
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内科系第二診療統括部 統括副部長 |
小児科一般 |
日本小児科学会専門医・指導医 |
山梨医科大学 |
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小児科 部長 |
小児科一般 |
日本小児科学会専門医 |
筑波大学 |
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医長 |
小児科一般 |
日本小児科学会専門医 |
山梨大学 |
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専攻医 |
小児科一般 |
小児科後期研修プログラム |
山梨大学 |
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専攻医
|
小児科一般 |
小児科後期研修プログラム
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山梨大学 |