緩和ケアとはがんによって生じる様々な体の苦痛(痛み、吐き気、息苦しさ、食欲低下、便秘など)や心のつらさ(落ち込み、不安など)を和らげるための医療です。 緩和ケアはがんの治療時期にかかわらず、体や心のつらさを和らげることで患者さん1人1人が自分らしく生活していくことができるように支援していきます。
患者さんの状況に応じて「緩和ケア科外来」「緩和ケアチーム」「緩和ケア病棟」をご利用いただけます。
【対象】
当院または他院の外来に通院中の方で、「現在がんによる症状で困っている」「緩和ケアについて相談したい」「緩和ケア病棟に入院したい」 などの患者さんが対象です。外来に通院しながら症状を和らげる薬の調整を行なったり、緩和ケア病棟入院についてのご相談等に応じます。 また現在通院中の主治医の先生と相談しながら診療をしていきます。
【受診方法】
まず現在の主治医の先生にご相談して下さい。
○当院外来通院中の方
⇒主治医の先生に緩和ケア科外来の予約を依頼してください。
○他院外来通院(入院)中の方
⇒主治医の先生またはご自身で、当院患者支援センター(電話055-253-7111(代表)、内線1215)を通して
緩和ケア科外来予約をしてください(主治医の先生の紹介状が必要です)。
月曜日・火曜日 | 午前(初診)/午後(再診) | 担当 岡本篤司医師 |
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木曜日 | 午後(初診・再診) | 担当 阿部文明医師 |
当院9階B病棟に緩和ケアを専門に行う「緩和ケア病棟」があり、がんによっておこる様々な症状を和らげるようにする病棟です。
【対象】
当院一般病棟に入院中の方が対象です。がんの治療と平行しながら、入院中に生じる様々な苦痛や問題に対して、 治療を行っている主治医や病棟看護師と協力しながら支援するチームです。緩和ケアチームでは体と心のつらさへの治療のほか、 患者さんの社会生活やご家族を含めたサポートを行うために、医師、看護師、薬剤師、医療ソーシャルワーカー、保健師など様々な職種のメンバーが一緒にかかわり協力します。 特に平成27年度からは緩和ケアセンターとして緩和ケア認定看護師を含めた3名が専属となり、 緩和ケア科医師とともにチームの中心となってさまざまなご相談に応じています。
【相談方法】
主治医や入院中の病棟看護師に相談してください。緩和ケアチームが病室まで伺います。
医師 | 出身大学 | 資格・所属学会等 |
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緩和ケアセンター統括部長 阿 部 文 明 あべ ふみあき |
山梨医科大学 (昭和61年卒) |
日本麻酔科学会専門医 日本緩和医療学会認定医 日本ペインクリニック学会 |
がん支援センター長 緩和ケア科部長 岡 本 篤 司 おかもと あつし |
山梨医科大学 (平成12年卒) |
日本耳鼻咽喉科 頭頚部外科学会認定医 日本緩和医療学会 |
がんと診断されて様々な心配が出てくる中で、特に 「がんになったら痛みで苦しむのではないか?」と不安になる方も多いと思います。 現在、世界中において世界保健機関(WHO)のがん疼痛治療法に基づいて解熱鎮痛薬、医療用麻薬*1、鎮痛補助薬などの薬剤を使用しながらがん疼痛の治療が行われています。 がんの治療と平行してがん疼痛の治療もおこなうことで、からだの苦痛がなく、夜も眠れるようになりご自分の望む生活ができるようになります。 痛みがある際には我慢せずに主治医の先生または緩和ケア科にご相談ください。
【硬膜外ブロックの数】
年度 | R3 | |||
硬膜外ブロック数 | 3 | |||
*1 医療用麻薬(オピオイド鎮痛薬)について
がん疼痛に対する医療用麻薬が使われることが多く、日本でも多くの新しい医療用麻薬が開発され、がん疼痛の多くが緩和できるようになりました。 しかし「麻薬中毒になって止められないのでは?」「寿命が縮まるのでは?」などさまざまな不安で医療用麻薬の使用を躊躇される患者さんが多いのも現状です。 ご病状に合わせて適切な鎮痛薬を適切な量で使えば、中毒になる心配はなく、寿命が縮まることもありません。 医療用麻薬は「がん患者さんが質の高い生活を送るためのお薬」です。主治医や緩和ケア科にご相談のもと、安心して使用してください。
参考文献:「患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド」
(編集:日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会)(金原出版)