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産科(総合周産期母子医療センター)

当院は日本産科婦人科学会専門医卒後研修指導施設、日本周産期・新生児医学会母体・胎児専門医研修施設、日本超音波医学会専門医研修施設となっています。

1.診療案内

  • 県内唯一の総合周産期センターとして、年間に約100件の母体搬送を受け入れています。 NICUと連携し、妊娠高血圧症候群、切迫早産・前期破水、多胎妊娠、胎児発育不全といったハイリスク症例を中心に年間に約700件の分娩管理を行っています。 県内の双子の赤ちゃんのうち約80%が当院で産まれています。一般の産科診療に加えて専門性の高い外来診療も行っています。
  • 母児のハイリスク症例に関する情報は周産期カンファレンス(毎週)で新生児科・小児外科医師ならびに看護スタッフ間で共有され、 出生後の管理を中心に prenatal visit にも役立てています。
  • 産科病棟のスタッフは産科医師7名、看護師43名(助産師37名)で、母体重症症例に対しては救命救急センタースタッフと連携した質の高いチーム医療を行っています。
  • 産科医師は、 日本産科婦人科学会、 日本周産期・新生児医学会、 日本超音波医学会、 日本人類遺伝学会に所属し、最新の周産期医療を提供するために 技術と知識の向上に、日々、努めています。
  • 当院は日本産科婦人科学会、 日本周産期・新生児医学会、日本超音波医学会の専門医研修施設に認定されています。
    また日本胎児心臓病学会の認定する専門施設となっており、先天性心疾患の早期発見と予後改善に努めています。
  • 帰省分娩をはじめとしてリスクのない一般の方の分娩管理も行っています。当院での出産をご希望の場合には、産科外来までお電話でお問い合わせください。

診療実績

2017年から2023年までの臨床統計

 

出生前遺伝学的検査について

 ダウン症をはじめとした染色体疾患に関する遺伝学的検査は、希望のあるご夫婦に対してのみ提供しています。認定遺伝カウンセラーもしくは遺伝診療の専門医師とのカウンセリングを受けていただいたうえで受検の希望を確認します。

 当院は日本医学会からの認定を受けた専門施設であり、非侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)が可能です。また妊娠初期精密超音波検査はFetal Medicine Foundation (FMF)の認定を受けた専門資格を有する医師が担当します。これらはいずれも流産などの合併症の心配のないスクリーニング検査です。スクリーニング検査の結果から病気の可能性が高いと判断される場合には、診断確定に必要な羊水染色体検査、絨毛染色体検査を行うか否かについて検討します。

非侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)とは

妊婦さんから採血した血液には胎児由来のDNA断片が含まれており、これを利用して胎児における一部の病気の確率を計算する非確定的検査です。妊娠10~16週に採血を行い、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーについての確率(陽性、陰性、判定保留)を判定します。採血から結果がでるまでに、2~3週間かかります。現在、日本では日本医学会による認定施設において検査条件を満たす妊婦さんを対象に行われています。検査対象者は、①以前の妊娠・分娩で児が13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーであったことが確認されている方、②出産予定日の年齢が35歳以上である方(凍結胚の場合は卵子年齢に準ずる)、③胎児が染色体異常のうち13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーのいずれかに罹患している可能性を指摘された方、です。従来の超音波(NT)検査や母体血清マーカー検査より精度が高くなりましたが、あくまでも非確定的検査ですので、陽性と結果がでても確定診断ではありませんが、従来の検査と比較して精度は極めて高いです。

妊娠初期精密超音波検査とは

担当医師はFetal Medicine Foundation (FMF)の認定する妊娠初期超音波検査の専門資格を持っています。

妊娠初期(妊娠11週~13週頃)の赤ちゃんの首の後ろには生理的にむくみ(Nuchal Translucency:NT)がみられます。 NTそのものは病気ではありませんが、むくみの程度が増すにつれてダウン症候群をはじめとした染色体疾患の可能性が高まることが知られています。精密な測定は専門医による時間のかかる検査となりますので、専門外来を受診していただく必要があります。染色体疾患のうち21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーの可能性について評価することが可能です。

確定検査(侵襲検査)とは

陽性の場合は確定診断のために絨毛検査や羊水検査を受けていただくことになります。この検査は通常の妊婦健診の検査項目には含まれておりませんので、ご希望の場合は、周産期遺伝相談外来もしくはNIPT外来を受診していただく必要があります。

スクリーニング検査が陽性となった疾患に関する確定診断を行うための検査として、絨毛染色体検査羊水染色体検査があります。いずれも子宮に針を刺して胎児由来細胞を回収して行う検査であることから、僅かですが流産の危険性があります。検査を受けるか否かはリスクも含めた説明を聞いていただき、ご夫婦でよく相談していただいたうえで決めていただきます。

絨毛染色体検査とは

絨毛とは胎盤を構成している組織の一部にあたります。絨毛組織から得られる細胞は胎児由来のものであり、これを用いて染色体検査(Gバンド法)を行います。採取にあたっては超音波検査機器を用いて子宮周囲の臓器を避けて子宮穿刺を行う必要があります。検査は妊娠11週から妊娠14週まで可能です。結果が判明するまでに要する期間は2週間前後です。本検査に伴う流産のリスクは1/100とされます。絨毛細胞にのみ異常な細胞が混在する胎盤モザイクと呼ばれる状態が約1%の頻度で生じる場合があり、その場合には羊水検査が必要となります。

羊水染色体検査とは

羊水中に浮遊する胎児由来細胞を羊水とともに吸引採取し、染色体検査(Gバンド法)を行います。羊水の採取には超音波機器を用いて胎児・胎盤を避けて子宮穿刺を行う必要があります。このため1/300の頻度で流産や子宮内胎児死亡が起こるとされます。当院では妊娠16週から検査が可能です。検査結果が判明するまでに要する期間は2-3週間です。本検査によって染色体の数的異常や構造異常の有無がわかりますが、これらは先天異常の一部です。

胎児スクリーニング外来について

通常の妊婦健診の超音波検査では、おなかの中の赤ちゃんの元気さや成長の様子は確認できますが、短時間の検査で生まれつき(先天性)の病気を見つけることは困難です。一見、元気に見える赤ちゃんに心臓病をはじめとした出生後に治療が必要となる病気が隠れている可能性は3-5%とされ、この中には生まれた直後からの検査や治療が赤ちゃんの予後に大きく影響するものがあります。母体の年齢などに関連なく、どなたの赤ちゃんにも起こり得るものがほとんどです。出生前に全ての病気を見つけることはできませんが、専門の医師が時間をかけて丁寧に超音波検査をすることで約70%の病気は見つけてあげることができます。生まれる前に病気が見つかることは悲しいことではありますが、生まれる前にみつけてあげられれば、赤ちゃんに最善の治療をしてあげることができます。病気を抱えた赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいる間は元気な場合が多いですが、生まれるとすぐに具合が悪くなる場合が少なくありません。このような赤ちゃんを治療可能な病院に転院させることは生命の危険を伴うことさえあります。県内での治療が難しい疾患の場合には、東京などの専門施設へ紹介することもできます。

このような目的で行う胎児スクリーニングは、ダウン症などの染色体疾患をみつける出生前検査とは違います。県内で出産される多くの妊婦さんに受診していただき、安心して出産していただきたいと考え、連携施設に通う妊婦さんには妊婦健診の一環として当院を受診していただいています。当院は日本胎児心臓病学会の認定する専門施設となっており、先天性心疾患の早期発見と予後改善に努めています。

2019年に山梨県で出産された方の約40%が当院のスクリーニングを受診しています

【連携施設】甲府共立病院、梶山クリニック、跡部医院、田辺産婦人科医院、韮崎おはな産婦人科

 連携施設に通院中の方々には妊婦健診の一環として受診をしていただいています。診察は主に胎児超音波検査の専門資格を有する医師が担当し、他医師と協力して胎児の状態を入念に確認します。
他院に通院する方も受診を希望される場合には産科外来までお問い合わせください。

胎児スクリーニング外来
(↑画像をクリックするとPDF形式のファイルでご覧になれます)

胎児スクリーニング外来再開について

 コロナウイルス感染の拡大防止の観点から休診させていただいていた胎児スクリーニング外来を分娩予定日が2020年8月10日以降の患者様を対象として再開させていただきます。3密の状況を避けて診療が行えるよう予約枠を制限しての再開となります。

 予約が取りにくい状況が予想され、ご迷惑をおかけしてしまうかもしれませんが、ご理解のほど何卒宜しくお願い申し上げます。

山梨県在住の方のみを対象とさせていただきます。  外来再開時期 令和26日から

周産期遺伝相談外来(出生前検査)に関するお知らせ

 産科外来で実施しています出生前診断に関する検査についてですが、

 現在、担当医が不足していることから当院に通院されている患者さんのみの対応とし、院外からの受付を制限させていただきます。

 大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、何卒、ご理解とご協力のほど宜しくお願い致します。

 お問い合わせ先:055-253-7900(遺伝相談希望をお伝えください)

 

妊娠と薬外来について(令和4年5月9日より更新)

 2017年度より、妊娠と薬情報センターの厚生労働省事業の協力病院として「妊娠と薬外来」を設置しています。
「妊娠と薬外来」では、妊娠と薬情報センターと連携し、妊娠中や妊娠を希望する方のお薬の相談を受け付けています。

山梨県立中央病院「妊娠と薬外来」
外来日:毎週木曜日 要予約
時間 :14:00~15:00 
費用  :11,000円(消費税込み・自費診療)

<外来までの手順>

1.事前にWeb問診票システムよりお申込みください。
Web問診票システムURL:https://n-kusuri.ncchd.go.jp/ncchd/login

ご相談までの流れはこちら→https://www.ncchd.go.jp/kusuri/process/index.html

※申し込みには事務手数料として1,100円いただいております。

2.システム登録後、お電話で当院の外来予約をおとりください。

・完全予約制です。ご本人様がお電話にて外来予約をおとりください。
・ご予約がない場合回答をさしあげることができません。
・電話の際は必ず「妊娠と薬外来の予約」とお申し出ください。
・山梨県立中央病院の診察券をお持ちの方はお知らせください。

予約受付電話番号:055-253-7900
予約電話受付時間:毎週月曜日~金曜日(祝祭日、年末年始を除く) 8:30~17:00

※週明け(月、火曜日)の午前中は電話が混雑いたします。こちらの時間帯をずらして、お電話いただきますようお願いします。

3. 外来当日は、1番受付窓口にお越しください。

※診察券をお持ちの方は、再来受付機で受付をお願いします。

・受付に多少の時間がかかりますので、予約時間の30分前にはお越しください。
・受付の際、「妊娠と薬外来」の受診とお申し出ください。
・受付を済ませたら、2階「産科外来」へお越しください。
・なお、外来当日は必ずご本人様がお越しください。

≪外来当日お持ちいただくもの≫
・健康保険証
・山梨県立中央病院の診察券(お持ちの方のみ)
・相談費用

4.外来終了後、お会計をしてお帰りください。

 

スタッフ紹介

スタッフ 専門分野/
出身大学
資格
周産期センター長
内 田 雄 三
うちだ ゆうぞう
周産期医療
胎児診断
日本産科婦人科学会 専門医・指導医
日本周産期新生児医学会
周産期専門医(母体・胎児)
山梨医科大学
(平成5年卒)
周産期遺伝子診療センター長
須 波 玲
すなみ れい

周産期医療
胎児診断
出生前診断

医学博士
日本産科婦人科学会 専門医・指導医
日本周産期新生児医学会
周産期専門医・指導医(母体・胎児)、評議員
日本超音波医学会 専門医・指導
日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医
日本胎児心臓病学会 胎児心エコー認証医
Fetal Medicine Foundation
(FMF)オペレーター資格
NCPR インストラクター

山梨医科大学
(平成10年卒)
部長
笠 井 真 祐 子
かさい まゆこ

周産期医療
胎児診断
出生前診断

日本産科婦人科学会 専門医・指導医
日本周産期・新生児医学会周産期専門医(母体・胎児)
日本胎児心臓病学会 胎児心エコー認証医
Fetal Medicine Foundation(FMF)オペレーター資格
NCPR インストラクター

山梨医科大学
(平成11年卒)
医師
安田 元己
やすだ げんき
周産期医療

医学博士
日本産科婦人科学会 専門医・指導医
日本周産期・新生児医学会周産期専門医(母体・胎児)
Fetal Medicine Foundation(FMF)オペレーター資格
日本超音波医学会 専門医
日本胎児心臓病学会 胎児心エコー認証医

山梨大学
(平成22年卒)
医師
篠原 諭史
しのはら さとし
周産期医療

医学博士
日本産科婦人科学会 専門医・指導医
日本周産期新生児医学会周産期専門医(母体・胎児)
日本超音波医学会 専門医
日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医
Fetal Medicine Foundation(FMF)オペレーター資格
日本胎児心臓病学会 胎児心エコー認証医

山梨大学
(平成22年卒)

医師
松田 康祐
まつだ こうすけ

産婦人科一般

日本産科婦人科学会 専門医

山梨大学
(平成26年卒)
専攻医
内田 光紀
うちだ みつのり
産婦人科一般

日本産科婦人科学会 専攻医

山梨大学
(平成31年卒)

専攻医
川瀧 英梨子
かわたき えりこ

産婦人科一般 日本産科婦人科学会 専攻医
山梨大学
(令和4年卒)

 

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