病状が悪く緊急入院する患者さんに速やかに対応するため、 また入院患者さんの病状変化に速やかに対応するため、 現状では上記のごとく外来診療の制限をさせていただいておりますが、今後は外来診療体制の拡充もめざします。 それまで御理解と御協力をよろしくお願いいたします。
当科では、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの膠原病の患者さんを診療しています。
関節リウマチなどの膠原病は、本来は外部の異物から自己を守るために働く免疫機構が、 誤って自己を異物と認識して傷つけてしまう疾患で、自己免疫性疾患ともいわれています。
関節リウマチは、治療しないと関節の破壊・変形の他、内臓の障害や動脈硬化などが進行し、 生命予後(寿命)をも短縮しうる疾患です。 そのため、より早い段階から強力な抗リウマチ薬での治療が必要です。 具体的には外来治療が中心で、国内外で標準的な抗リウマチ薬とされるメソトレキサートを中心に用いて治療し、 効果が不十分な場合や副作用が出現した場合は、他の抗リウマチ薬や生物学的製剤と呼ばれる新規薬剤を使用または併用して治療します。
全身性エリテマトーデスをはじめとするその他の膠原病はいくつもあり、 これらは障害される臓器の部位により各々の疾患に分類されます。 時に複数の疾患が合併することもあり、治療しなければ致命的な経過をとることもあります。 そのため初発時には、疾患を詳しく調べて症状を抑えるため、 また疾患の特徴や治療内容をよく理解していただくため、 入院が必要となる場合がほとんどです。 治療は、標準的な量の副腎皮質ステロイド剤を中心に行います。 多くの膠原病では、いまだステロイド剤に変わる標準治療薬は開発されていません。 ステロイド剤による治療効果が不十分な場合は、 ステロイドパルス療法や免疫抑制剤 (シクロホスファミド、シクロスポリン、メトトレキサートなど)を併用した治療を行います。 また、血漿交換療法や生物学的製剤の追加併用を行うこともあります。
強力な抗リウマチ薬、ステロイド剤、免疫抑制剤と聞いて、副作用を心配される方もいると思います。
ステロイド剤はホルモン剤であり、治療のために大量に用いることで、 程度の差こそあれほぼ全例で副作用が出現します。 骨粗鬆症、消化管障害、満月様顔貌、中心性肥満、白内障、緑内障、糖尿病、高脂血症、皮膚脆弱化等々、 様々です。 そのため、副作用を軽減または予防するための薬を処方することが多いです。
その他の抗リウマチ薬や免疫抑制剤の副作用はステロイド剤のそれとはやや異なります。 副作用の頻度はステロイド剤ほど高くないものの、肝機能障害、腎機能障害、血液細胞数の減少、 薬疹など様々で、その頻度や重症度は薬剤により異なります。 副作用の程度が軽い場合は薬剤の使用をやめることで改善することも多いですが、 ごくまれに、極めて重篤な副作用が出現することもあり、迅速な治療が必要となります。 多くの患者さんに効果がある治療ではありますが、副作用の出現により一部の患者さんには非常に苦しい思いをさせてしまう治療でもあります。 これをロシアンルーレットにたとえた患者さんもいらっしゃいました。
また、いずれの薬剤でも感染しやすくなるため、患者さん御本人に日常生活で注意していただく必要があり、 また特殊な感染症に対しては薬剤による感染予防を行うこともあります。
治療には副作用の可能性が伴いますが、それでも治療をおすすめします。 それは治療を受けた多くの患者さんにとって、無治療でいるよりも、 生活の質、生命予後が優れているからです。
【外来定期通院患者数】
【入院患者数】
医師 | 出身大学 | 資格・所属学会等 |
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部長 神 崎 健 仁 かんざき たけゆき |
山梨医科大学 (平成11年卒) |
日本内科学会 日本リウマチ学会 日本臨床リウマチ学会 |
医師 小 林 惠 こばやし けい |
山梨大学 (平成26年卒) |
日本内科学会 日本リウマチ学会 |
専攻医 新 井 詩 織 あらい しおり |
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専攻医 間 渕 央 子 まぶち なかこ |