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ゲノム検査科

 ゲノム検査科は、2018年4月に院内に開設されました。当科では、ヒト、ウイルスや細菌などの微生物のゲノムから遺伝子情報を調べることにより、病気や 感染症の診断や治療に役立てることを目的としています。
 検体は、血液、喀痰、体液、手術や生検で得られた病理組織標本等があり、各診療科と連携しながらス ムーズな検査を行っていきます。検査に当たっては、手作業で煩雑な操作を伴う工程もありますが、自動化を進める事で精度の良い正確なデータを提供できるよ うに日々努力していきます。

 現在の遺伝子関連検査には以下のような分類があります。

① 病原体遺伝子検査
 ヒトに感染症を引き起こす外来性の病原体(ウイルスや細菌などの微生物)の核酸(DNAあるいはRNA)を検出・解析する検査で、診断や治療のモニタリングに使用します。

② 体細胞遺伝子検査
 がん細胞特有の遺伝子の配列や構造異常等を検出する検査および遺伝子発現量を解析する検査です。この検査は、病変部やがん組織に限局する一時的な遺伝子変化を調べることで、分子標的薬などの治療法選択や、薬が効果を示さなくなる薬剤耐性変異の検出、治療モニタリングを目的としています。

③ 遺伝学的検査(生殖細胞系列遺伝子検査)
 薬物代謝酵素の遺伝子多型(個人間で差がある遺伝子変化)の違いによる副作用の出やすさや、単一遺伝子疾患等を調べる検査です。個人が生まれながらに持つ遺伝子変化を明らかにし、投薬される薬の副作用の出やすさを調べることを目的としています。

《肺がんの新しい遺伝子検査の導入》
 当院では、非小細胞肺がんの5つの遺伝子(EGFRALKROS1RETBRAF)を同時に測定する「オンコマイン Dx Target Test マルチ CDxシステム」を導入し、測定を実施しております。4遺伝子に変異が同定された場合には、それぞれの遺伝子変異に合わせた分子標的薬剤の使用が可能になります。気管支鏡生検で得られる組織の大きさは小さく、診断に使用可能なサンプル量の確保が課題となります。検体の量が十分に確保できない場合には、再生検も考慮され、患者さんに負担をかけてしまうことになります。しかし、本検査を実施することで、少量の検体から抽出した検査材料(核酸、DNAとRNA)を一度に測定でき、診断までにかかる時間を短くすることができると期待されます。本検査の導入により、肺がん診療において、ゲノム異常に合わせた有効な治療薬を迅速に患者さんへ届けることができます。
 

当院で実施する検査項目

当検査室では下記の遺伝子関連検査を院内で実施しております
病原体遺伝子検査

結核菌DNA(LAMP法)
マイコプラズマニューモニエDNA(LAMP法)
細菌核酸・薬剤耐性同時検出(Film Array)
・血液培養パネル
・呼吸器パネル
・髄膜炎・脳炎パネル

体細胞遺伝子検査

オンコマイン DX Target Test CDx システム
マイクロサテライト不安定性検査(MSI検査)
・免疫チェックポイント阻害剤
・リンチ症候群
RAS遺伝子変異解析
JAK2遺伝子変異解析
MPL遺伝子変異解析
CALR遺伝子変異解析

遺伝学的検査
(生殖細胞系列
  遺伝子検査)
UGT1A1遺伝子多型
NUDT15遺伝子多型

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