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放射線内用療法

放射線内容療法とは

内用療法とは放射線治療の一つであり、ベータ線などの放射線を出す放射性同位元素を注射や経口にて体内に入れることにより、 治療目的臓器を体内から治療する方法である。 当院では放射性ヨード治療と有痛性骨転移の疼痛緩和治療、ゼヴァリン治療を行っています

放射性ヨード治療とは

甲状腺機能亢進症(バセドウ病、あるいはグレーヴス病)の患者さんが対象となります。 海外では60年間にわたってバセドウ病の治療に使用されてきた、きわめて安全な治療です。 外来で実施可能ですが、一般病棟の入院患者さんでも治療することは可能です。(使用限度を超えない場合)

どのような人が適応となりますか

  • 抗甲状腺薬治療や手術を望まないとき
  • 心臓病や肝臓病などの慢性疾患を持っているとき
  • 抗甲状腺薬で充分にコントロールできないとき
  • 抗甲状腺薬で副作用が出現したとき
  • 抗甲状腺薬中止後に再発したとき
  • 手術後にバセドウ病が再発したとき

受けてはいけない人

妊娠、もしくは妊娠の可能性がある女性。 授乳婦。 18才以下の小児(原則として)。

実際の治療について

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放射性ヨード剤のカプセルを内服するだけの簡単な治療です。 薬に含まれている放射線が直接甲状腺に作用します。

事前に甲状腺の機能検査と甲状腺の容積計算のためのCT撮影が必要となります。

事前に1週間、治療後3日間ほど食事制限により、食べ物から取るヨードを控えます。 また、抗甲状腺薬などの服用についても治療前後に制約があります。

治療後の経過について

効果に個人差があることが唯一の欠点です。 1~2ヵ月後には治療効果が現れてきます。 3~4ヵ月後に一時的に甲状腺機能低下状態になることがありますが、多くの場合、自然に甲状腺機能は回復してきます。 また、一時的に甲状腺中毒症が増悪する可能性があります。

薬に放射線が含まれていますので、内服後一定期間、気をつけて頂くことがあります。

治療を依頼される先生方へ

放射線治療医が実施しますので、放射線科受診が必要となります。

有痛性骨転移の疼痛緩和治療(メタストロン注)について

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有痛性骨転移を有するがん患者の疼痛緩和を目的として開発された治療用放射性医薬品です。 国内では平成19年度に承認されたばかりの薬剤で、世界41カ国で承認されています。 また使用にあたっては、専任者の取扱講習会の受講義務や設備などの施設基準を満たさなければなりません。

効能・効果について

固形がん患者における骨シンチグラフィで陽性像を呈する骨転移部位の疼痛緩和

どうして痛みを緩和することができるの

本薬(ストロンチウム-89)は放射線(ベータ線)を放出しますが、正常部位への被ばくは比較的軽度です。 骨転移病巣(周辺)の造骨活性を示す部位にコラーゲンのミネラル化に依存して集積し、直接ベータ線を病巣(周辺)部分に照射することが可能です。 その作用により、特に多発性の骨転移における疼痛緩和に有効とされています。

治療後の経過について

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その効果は、通常、1回投与で投与後1~2週間から緩徐に発現し、数ヶ月間持続します。 また投与後3~5日後に一時的に痛みが強くなることがあります。 本薬により疼痛緩和が得られるのは50~80%の患者さんであると言われています。 投与後、定期的に血液検査が必要です。 また、重要な副作用として血小板および白血球の減少などの骨髄抑制が知られています。 このような特徴を有し、放射線治療の内用療法とし使用され、 標準的鎮痛薬では除痛が不十分で、外部放射線照射治療が適応困難な場合に適していると考えられます。

メタストロン注による治療を希望される患者さんへ

このお薬は、ストロンチウム-89という放射線(ベータ線)を放出する物質を含んでいます。 骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすく、骨転移部位では正常の骨より長くとどまり、その放射線の効果により痛みが和らぐと考えられています。

投薬は静脈注射で行い、その後お帰りいただけます。 また一般病棟の患者さんも治療可能です。 ただし、事前に診察や血液検査、画像診断などの必要な検査を受けていただき、治療の適応があるか否かの判定が必要です。 このお薬に含まれるストロンチウム-89は、尿や便と一緒に体外へ出ますので、注射後、特に1週間以内は衣類の洗濯を別にする、 トイレを使用後2回流すなど いくつかの注意が必要となります。

メタストロン注による治療を依頼される先生方へ

本薬による治療を依頼される場合は、放射線治療やアイソトープによる甲状腺治療と同様に患者支援センターにお問合せください。 骨シンチで疼痛部位が陽性像であること、禁忌事項として骨髄抑制などの副作用が想定される場合など、選択基準、 除外基準等がありますので当院の放射線治療医にあらかじめご相談ください。 放射線科受診時に適応の確認、治療、投薬後の過ごし方などについて患者さんおよび同居されているご家族にも説明させていただきます。 骨シンチなどの検査データとあわせて、メタストロン注適応チェックシートを持参させてください。

ゼヴァリン治療とは

ゼヴァリンはCD20モノクローナル抗体に放射性同位体元素であるイットリウム90(Y-90)を結合させたRI治療薬であり、 CD20陽性の再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫に対して適応のある治療法です。 海外では2002年頃から治療に使用されており、当院では2010年から実施しています。

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ゼヴァリンイメージ図
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治療イメージ図

受けてはいけない人

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・妊娠、もしくは妊娠の可能性がある女性。 授乳婦。 18才以下の小児(原則として)。
・マウスタンパク質由来製品又はリツキシマブ(遺伝子組み換え)に対する重篤な過敏症の既往歴のある方。
・骨髄機能低下のある方。
・造血幹細胞移植治療を受けた方。
・過去に「ゼヴァリンRによる RI 標識抗体療法」を受けた方。
・心機能・肺機能の悪い方。
・B型肝炎になったことのある方等。
・これら以外でも医師の判断により治療の対象外となる場合があります。

実際の治療について

集積部位の確認(治療の適格性の確認)のためにガンマ線を放出するインジウ-111(In-111)という放射性同位元素で標識した 診断薬を用いたシンチグラムの撮影により薬剤の生体内分布を確認します。 1週間後、治療が適格であると判定されたらベータ線を放出する放射性同位元素であるイットリウ-90(Y-90)で標識した治療薬を注射します。 この薬剤は低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫細胞を標的とし、腫瘍近傍からベータ線を内部照射することにより治療効果を発揮します。 イットリウ-90から放出されるベータ線は飛程が短く、体の外に出てこないため、周囲の人が被ばくする危険はほとんどありません。 通常当院では薬剤投与前後の管理等を目的として、1週間程度の入院にて治療を行っていますが注射にかかる時間は20分程度です。

治療後の経過について

薬の効果が表れるのには個人差はありますが時間がかかります。また副作用として、白血球や血小板の減少がみられる場合がありますが、 一般的な抗がん剤に比べると、投与からかなり後になって副作用が現れるのが特徴です。このため定期的な受診による血液情報の確認が必要になってきます。

治療後の注意について

投薬は静脈注射で行い、その後お帰りいただけます。注射した薬剤は尿や便と一緒に体外へ出ますので、注射後、特に3日以内は以下のことに注意してください。

1 ご家族、配偶者の方、子供、公共の場での長時間にわたる接触や近距離での接触をできるだけ避けるようにしてください。
2 着用した衣類などの選択は、患者さん以外の人の衣類と別にしてください。
3 患者さんの血液や尿が付着したシーツ類や下着類は、他の衣類とは区別して洗濯し十分にすすいでください。
4 排尿・排便後や手に血液が付いた場合は、必ず手をよく洗ってください。
5 男性は座位で(すわって)排尿するようにしてください。

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6 尿や血液がこぼれた場合には、トイレットペーパーできれいに拭き取り、ト イレに流すようにしてください。
7 使用後のトイレの洗浄は2回流すようにしてください。
8 十分な水分を摂取するようにしてください。
9 けがをした場合には、出血部位をきれいにふきとり洗い流すようにしてください。
10 できるだけ毎日シャワーを浴びてください。なお入浴する場合には、最後に1人で入浴し、入浴後は直ちに浴槽などを洗浄してください。
11 性交渉は控えてください。

( 「ゼヴァリンによるRI標識抗体療法」を受ける患者さんやご家族の方へ・富士フィルムRIファーマ冊子より)

※本ページ内の画像は当院以外の著作権により保護されています。 画像のコピーやダウンロードはご遠慮ください。

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